62、vs強欲の罪②
とりあえずこれで一区切りです!!いやぁ〜長かった!!最後は端折った展開ですみませんでした!!今度の話はもうちょいねります!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
「あぁん?」
ーーー悪魔は怪訝そうに声を発する。
「イヴ!」
「……ステータス」
「どうだ?」
「………何も変化無し」
「え?、一体どういう事だ?、あいつの能力を読み違えたか?」
「………いや………私たちの予想は当たってるんじゃないかな………ただ……私からは奪うことができない………のかも……」
「うーーん、そういや妙なスキルが俺たちに付いてたな、なんとかの欠片ってやつ、欠片でも七大罪同士だと能力の範囲外ってことか?」
「………七大罪同士?、じゃあお前はまさか……他人の空似だと思ってたが………へっ、これ以上無いほどの獲物じゃねぇか!!」
悪魔は俺たちの発言に納得すると再度襲いかかってくる。
(イヴからは奪えないのなら……)
「イヴ!!」
「………わかってる………!」
俺の呼びかけに応えるように悪魔の前へと立ちはだかる。
「その罪、俺によこせ!!」
『発疹皮膚武器全展開、魔硬化工程完了、歪・鉄屑針鼠、『鋼鉄耐久強化!!!』
「オラァ!!!」
『我紡ぐ子竜の鎧!子竜耐久強化』
「ッッーーーー」
イヴは歪・鉄屑針鼠を使った後、鋼鉄耐久強化で防御を固める、普通だったら全身から武器を生やされたら攻撃したくても自身の体を痛めてしまうため一旦下がるはず。
しかしこの悪魔に常識など皆無、構わずぶん殴る、寸前に俺は子竜耐久強化をイヴにかける。
ーー瞬間硬質なもの同士がぶつかる時に起きる耳障りなノイズが鳴り響く。
どうやら鬼のような見た目はハッタリではないらしく、イヴの武器に拳を押し付けているのに痛めていない。
皮膚の硬度が相当硬いのだろう、鬼系の魔物の特徴そのままだ。
ここまで硬いのは初めてみたが……。
「…………へぇ、受けきるとは思わなかったぜぇ」
「…………こんな拳、なまヌルイね」
皮肉げにいうがいっぱいいっぱいだ、イヴはなんとか相手の攻撃を受けきる
『全武器砲身、銃口全開』
「フン!!!」
イヴは歪・鉄屑針鼠を展開した状態で悪魔をぶん殴る。
飛ばしたものは相手に奪われてしまうので納得の攻撃だ。
「ちょいと痛かったーー」
『精神集中、発射準備完了、一斉射撃!!!』
相手に押し付けた状態で武器を一斉に接射する、さしもの悪魔も吹っ飛ばされる。
「言い直そう、結構痛かったーー」
『天界より放たれし聖なる槍よ、不浄の闇を貫け!!光り輝く聖槍!!!』
何か言いかけた相手を聖なる槍が刺し貫き、眩い光を発しながら爆ぜる。
「………これは………」
「へへ、遅えよ……………クリス」
「すいません、手間取りました」
治療の終えたクリスが援護をしてくれたみたいだ。
「…………チッーー伏兵がいたとはな……」
「「「ッッッーーー!!?!」」」
『契約中のイヴが複数のスキルを覚えました、ステータスを参照をお勧めします』
ファンファーレと共に訪れる機械的な声が聞こえる、今はそのことに気を取られていると命を盗られかねない。
言葉とは裏腹に余裕綽々の相手、バフもりもり状態で精神集中したイヴの一斉零距離射撃、そしてクリスの援護射撃をぶち込んだのに致命傷に至らないとは………。
「くそ、バケモンが」
「今の攻撃を罪獣人でやられた後に追撃されていたら結構なダメージになってた…………そういやお前なんで罪獣人化しないんだ?」
「…………スロミナル………?」
「あぁん?、まさか、『鑑定』………そういやさっき欠片とか言ってやがったなぁ、………チッーー、今ぶん奪っても大元に吸収されちまうか……」
悪魔は呟くや否や、軽く俺たちの頭を飛び越えて入り口の方まで飛ぶ。
「今は泳がせといてやる………ちゃんと先代をぶち殺してこい、そしたら相手してやるよぉ」
入り口から外に出ようとする。
「…………待って!!!」
「イヴ?」
「あぁん?」
「………貴方は………育ての親を………殺したの……?」
「はっ、当たり前だろ、奴らは俺らの事はあの女の代わりにぐらいにしか思ってないんだぜ、それに全部集めりゃ何もかもが思い通りの力が手に入るしなぁ」
「………あの女………何もかもが思い通りになる力………?」
「…………チッーー、奪う前から文無しと会話するとイライラするぜぇ、じゃあなぁ、何も知らないピノキオちゃん」
「あっ………まだ話はーー」
今度はイヴの声を無視してそのまま闇に消えていく悪魔。
「あぁ〜助かった」
「ですね〜」
「………そうだね」
居なくなったことに安堵して尻餅をつく俺達。
その後、金狐と銀狸………一応風狸も回収して里へ帰る俺たち。
一応、死人は出ていなかったらしい、まぁ……何人か拐われたらしいが、俺たちにはどうしようもない。
使える住居はそこそこあるが、里はほぼ半壊状態、見るも無残な状況だ。
事の経緯を説明し風狸の処分は天狐さん達に任せて、俺たちは復興を手伝おうとするも天狐さんに止められる。
「他所の人にそこまでお世話になるわけにはいかん、娘を助けてくれただけでも十分すぎるほど助かったわ」
「………で、でもーー」
「ーーーわかった………でも、怪我人の手当てぐらいはさせてくれ……クリスお前に一番頑張ってもらうことになるが、いいな?」
「………良いに決まってるじゃないですか」
「…………ほんとにお人好しやな〜」
食い下がるイヴの言葉を遮るように返事をする俺。
「………ハル……クリス………手伝わないの?」
「どんなうまくいっても数年」
「…………え?」
「彼らの里が元の状態まで戻るのは今から数年後になるだろう、数年も、いや下手したらそれ以上ここに残るつもりか?」
「……そ、それは…………」
「それとも二日三日、長くて一週間手伝って、最低限の事はしたって自己満足した後にここを出るのか?」
「……………」
「………俺だって手伝いたいが天狐さんが心苦しいっていうのなら、早めに出発した方が良い、残ったところで晴れるのは俺達の罪悪感だけだろうさ、だいたい俺達三人が手伝ったところで作業効率が劇的に変わるとも思えないしな」
「…………」
「………イヴさん、私達は神様じゃないんです」
「………わかった……」
俺達その夜、里中を駆けずり回って怪我人を治していく、俺とイヴは回復スキルを持っていないためアイテムを使っていく、とりあえず命の危険に関わるような人間を全て癒した。
その間に天狐さん達が俺たちの旅の準備を整えてくれたようだ。
「………準備してくれてありがとうな、天狐さん」
「こっちこそおおきにな」
「それじゃあ、そろそろ失礼しますか」
「…………じゃあね」
「「ちょっーーとまっっっった!!」」
例の門から出ようとするも誰かに止められる、金狐と銀狸だ。
「じゃあな金狐」
「………さよなら金狐」
「さよならです金狐さん」
「いやいや、うちも連れてってーーガフン!!!?」
「………この子はほんとに全く」
金狐に別れを告げると、彼女は自分も連れてってほしいと言うが、天狐に速攻拳骨をもらい目を回す。
「じゃあな、銀狸」
「………さよなら銀狸」
「さよならです銀狸」
「………俺、俺、ハルニィと一緒に行きたい!!」
「…………悪いな、連れていく事はできない」
銀狸にも別れを告げると、こちらは真剣に悩み抜いた上での発言、なので変に誤魔化さずに単刀直入に返事をする。
「そ、そんな、な、なんで!!」
「俺はお前を守りきるほど強くないから、連れ回す事はできない………」
「そ、そんなーー」
「ーーーだからさ、次会った時にお前が守る必要もない一人前になってたら仲間にしてやる……それでどうだ?」
「ーーえ?、うん、俺、頑張って強くなる!、ハルニィより!!」
「はは、その粋だ、だがその前に復興を手伝おうな、良い修行になるかもだし」
「あ……わ、わかった!!」
再会を誓い合い、俺達は里の門を通る、帝都を目指して。
疲れた!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾




