32、飯屋で相談
上げました!!( *˙ω˙*)و グッ!
さて……騒動から数週間、今俺達は何をしてるかというと………飯屋でランチ。
「モグモグモグ、ゴクン、これもう三つ……後それも五つ………こっちは九つ……最後にメニュー全部を3セット………お願いします」
小さな体のどこにそんなに入っているのか疑問に思うほど食べるイヴ。
水をスポンジに吸わせるが如く、ひょいひょい食べていく、800gのハンバーグステーキを一口で食べ、少女の口と同等とのハンバーガーを両手に持って一口で食べたと思ったら右、左、右、左、と食い、何個食ったのかは百を超えたあたりから数えなくなった。
自身の顔ほどある器に盛ってあるラーメンを両手で持ったと思ったら傾けて麺ごと呑んでいく。
もはやコップに入れてくるのがめんど臭くなった店員はフルーツジュースを数樽持ってくるが数秒で飲み干してしまうため、数人がかりで持ってきてやっと飲み干すタイミングと同じ程度。
「こ、ここは俺の奢りだから遠慮せずに食えよ」
「………王様から貰ったお金を奢りっていうのはなんか違う気がするけど……まぁいいか」
実際もらった金額は要求より数十倍高かった、…………流石に国庫の半分には届かないがそれにしたって相当だ、王様の親バカ度が伺える、その金で食い続けるイヴ、料理の山を凄まじい勢いで溶かしていく。
大食漢を超えてもはや暴食と言われそうなほど食っているイヴ、そんな様子に徐々に見物人が周りに集まりだす。
「す、すげぇ!!」
「な、なんなのあの子!!?」
「お、俺だって、あ、あんぐらい!!すみませんメニュー全部お願いします!」
「バッカやめとけあれは人間のやることじゃねぇ」
「まじ一度捕まえたらあらゆるものを逃さないブラックホールだわ」
「すげぇ!!!」
「ウップ、彼女とは違う形で会いたかったな、そうすればこんなことをせずにすんだのに」
「無理だっただろ、お前」
「ミルクでももらおうか」
「まだ満足してないぜ、すげぇ!」
「メニュースリーイートゥゥ」
「みんな見届けようぜ!人生という名のフードファイターライフを!!フードファイトアクセラレーション!!」
まだまだ腹の底を見せないイヴに見物人のテンションは沸騰し、これ以上は不味い、そろそろ止めた方がいいという気持ちと限界超え続けて欲しいという矛盾する願いを託し始める。
人間の可能性を切り開き、限界を常に突破し続けるイヴ、その様子に俺は引きながらもこれからどうするのか話し合う。
「………なぁ本当に今すぐ行くのか?」
「………思わぬ臨時収入が入ったからね………世界の名所を回るんでしょ?…………………私は自分の事をもっと知りたい………もしかしたら他の七つの大罪の人に会えば………何かわかるかもしれない………だから早く旅に出たいかな…………それに」
「それに?」
「……その………もしかしたら………ハルが………ないし………」
「え?、今なんて言った?」
赤面しながらイヴの声が先細りに小さくなっていくのでよく聞こえなかった。
「…………だから………その………ハルが………人間に戻れる方法も………あるかもしれ………ないし……」
「へ?………あーーー、なるほどなるほど………へぇ〜俺のこと考えてくれてたんだ」
呆然とした後に俺はいやらしい笑みを浮かべ、イヴに問いかける。
「…………うん………そうだよ」
「え、えーーっと、あ、ありがとな」
赤面しながら俺をまっすぐ見てきて、素直に頷かれるとは思っておらず、なんだかこちらも恥ずかしくなってしまい、素直な感謝が無意識に口から出てしまった。
「…………ま、とりあえずこれからも俺の背中守ってくれよ、相棒」
「…………任された………」
照れ隠しに拳を突き出す、イヴは拳で返し軽くぶつけ合う。
「……やめるときも……すこやかなるときも………ずっと貴方と一緒にいて………貴方を守るよ………だから………ハルも私を守ってね………」
「ブッーーー、お、お前、それ」
「………?」
まるで結婚式のような口振りに吹き出してしまう、イヴがちゃんとわかってるのか聞こうとするも疑問符を浮かべてるイヴ…………多分わかってない、というかどっちにしても気まずくなる。
「………あーー、わ、わかったよ、誓う、誓うよ、お前が俺を守るなら、お前は俺が守るよ」
「……………約束ね………」
恥ずかしすぎる、なんで俺、飯屋で結婚式の誓いしてんの?
やったぜ( *˙ω˙*)و グッ!




