12、勇者パーティー発見(ちょいざまぁ
イヴカッケェェ( *˙ω˙*)و グッ!
「俺がテイムする側なのに……」
「………あのさ………常識的に考えて人が竜になるとか与太話を信じるお人好しは早々いないよ………」
「………そっか、言われてみるとそうだよなぁ〜……あれ?、そういやイヴは信じたよな?何でだ?」
「…………別に元人間だろうが人間だったと言い張るイカレポンチ子竜だろうが肉のうまさは変わんないでしょ…………?」
「……………そ、そうすっね〜」
そんなこんなでとりあえずギルドの銀行から金を下ろすため、冒険者ギルドに向かい無事着いた。
引き出すために受付に行こうとするもイヴに首根っこを掴まれて前に進めなくなる。
「ぐぇ!!!?な、何しやがるイヴ!!」
「…………だから貴方どうやって引き出すつもりなの………?」
「あ、そういやどうしよう………」
「…………仕方ないから預けてるお金は諦めるしかない…………何するにしてもお金は必要…………何でしょ……?…なら適当に依頼受けて稼ごうよ………」
「な、なんかずっと引きこもってたのに滅茶苦茶頼りになるな!!!」
「………え、そ、そうかな………えへへへ……」
「ああ!!すげぇ有能!!」
「………そ、そんな褒めても何も出ないよ……」
そんな風に人間同士だったらイチャイチャしてるように見えるやりとりをする2人。
二人の近くのテーブルには勇者パーティーの皆さんがいたというのに全く気づかない。
「何でだ、何でこんなにクエストを失敗するんだ」
「何故だ………」
「あの足手まといをクビにしたのにね〜」
彼らがここにくるまでの数日間、様々なクエストを受けるも尽く失敗していた。
「………ですから、このパーティーにとってハルさんは必要不可欠な人だったんです!!今ならまだ間に合います!助けにいきましょう!!」
雑用や情報集め飯作りにアイテム管理etc、雑用と称して全てハルに任せていたので今まで通りとは行くはずもない。
クリスは手伝っていたのでそれをよくわかっていた、だからこそハルを助けに行こうと言っているのだ。
いや、彼が本当に無能だったとしても仲間を見捨てるなどできるわけもない。
本当なら即助けにいきたかったが、アーロンが無理やり撤退を進めたので止むを得ず。
「あぁん?、なんでほぼ死んでる事確定の人間を助けるために難関ダンジョンの奥地まで行かなきゃいけねぇんだよ、それにあのダンジョンの下層には恐ろしい化物がいるって噂だしな、まさしく骨折り損のくたびれ儲けだろうが」
「それでも勇者なんですか!!仲間を見捨てるなんて!!」
「はん、あのカスが仲間?おいおい寝言は大概にーー」
「ッッッッッーー、もういい、こんなパーティー抜けます、仲間を見捨てるような男に背中は任せられません!!」
「あん?、ダメだね、まだヤッてーー、じゃないそんな勝手が許されると思ってるのか?」
アーロンの言葉を無視して立ち上がるクリス。
「………早く助けに行かないと」
「アブラァァァァ!!!!?」
クリスは小走りで駆け抜けようとするも気が急いてたため背が低いハルに気づかず蹴りをいれる。
後衛職と言っても勇者パーティーの一人の蹴りだ効かないわけがない。
「あ、ご、ごめんなさい、だ、大丈夫ーー、………って、子竜がなんでこんなところに………」
「何すんだ!!!、コラ!!!こりゃ慰謝料もらわなきゃーー、ってクリスじゃんひさしぶり〜」
「………え、な、なんで言葉を………いやそれよりなんで私の名前を知ってるの、そ、そういえばその装備見たことがある気が…………」
「え?俺だよ俺、ハル・セルー」
「詠唱省略、砲身鉄拳制裁!!」
「オボログシャァァァァ!!!?!」
いきなりイヴに頭をぶっ叩かれる俺、ぶん殴った砲身はボロボロと崩れてしまう。
「……すいません………私のとこのペットが………迷惑かけちゃって………」
「い、いえ、こちらこそ蹴ってしまって、そ、それよりその竜何か見覚えが………」
「………気のせいじゃないですか………?、どこにでもいる種族だし……………」
「そ、そういわれてしまえば、そうですが………」
後ろから俺は耳元に手を押し当てて疑問を投げかける。
(何すんだよ死ぬかと思ったわ!!!)
(………あのさ………あれが話してた例の勇者パーティーの一員でしょ………?……無事だって勇者が知ったらまた殺しにくるでしょうが)
(は、はぁ!!!?、く、クリスが裏切るっていうのか!!?)
(………本人がどういうつもりだろうと…………近しい人間には違いない………どんなことが起こって情報が漏れるかわかったもんじゃーーー)
「どこに行くつもりだ、クリス」
「は、離して!!、そ、それと呼び捨てにしないで不愉快です!!」
「だめだね、お前はうちのパーティーメンバーなんだからさ」
二人がごちゃごちゃしているとアーロンが追いついてきた。
「は、離して!!」
「あーーーもううるせぇ!!」
「きゃーー?!」
「女だからって調子乗ってんじゃねぇ、黙っていうこと聞けや」
イラついたアーロンはクリスを殴りつける、思わず床に転がってしまう彼女。
「………やはり貴方にパーティーリーダーの資格はありません」
「あん??」
「パーティーメンバーに軽々しく暴力を振るう貴方には!!」
「………いいぜ、もうこっちも我慢の限界なんだ、こうなったらベットで可愛がりやすいよう少し素直にさせておくか……オラァ!!」
「くっーー」
気丈に言葉をぶつけるクリス、しかし目の前に迫る拳につい目を閉じてしまう。
「……あ、あれ?」
いつまでも衝撃がこないことに不思議に思って目を開くとさっきの子竜がアーロンの拳を受け止めていた。
「…………あのさ、流石に女を殴るのはやりすぎ……冷静になれよアーロン」
「あ、貴方一体」
「大丈夫か?クリス」
「あ、は、はいありがとうございます」
「な、なんだ、テメェ!!蜥蜴ごときが邪魔すんじゃねぇ!!、ぶった斬ってやる!!」
腰の剣を抜き斬りかかってくるアーロン。
「へ、ちょ、刃物はなしだろ!!や、やめーー」
「………魔硬化皮膚」
「なっーーー???」
刃物にビビってる自分とアーロンの間に棒立ちで割り込むイヴ、無視して彼女ごと俺を切ろうとするも刃物が当たっている首筋が黒くなっていて刃を通すことを許さない。
「…発疹皮膚武器、砲身腕、発射準備完了、一時保留…とりあえず落ち着いてくださいよ、勇者様……?」
「…………ちっーー、いいさ、抜けたきゃ勝手にぬけろ!!ハルハルうるさかったしな!!」
呆然と口を開けているアーロンの口の前に砲身を構え、いつでも打てると暗に脅すイヴ。
流石に目の前に銃を押しつけられたアーロンは撃ち抜かれる前に尻尾を巻いて逃げる。
「………いや、冷静に話し合えって言ってるだけなんだけど……まぁいいか殴ってくるリーダーの時点で………結局やめるしかないわけだし……」
イヴスタイリッシュ!!( *˙ω˙*)و グッ!




