エピソード1 りくるの日常
私の名前は六法陸六、小学5年生。
みんなからはりくるちゃんって呼ばれているよ。
「りーくーるーちゃん!!! おはよう」
「きゃっ」
「りくるちゃーーん! おはよう!!!」
勢いよく後ろから抱きついてきたのは、私の1番のお友達のさよちゃん。
黒髪ツインテールの元気いっぱいの女の子です。
「うん、おはよう、さよちゃん。今日も元気だね」
「えへへ、朝からりくるちゃんに会えて嬉しいわ!!」
「うん、私も嬉しいな。一緒に行こう」
「ええ、行きましょう!!」
手を繋いで登校する。
私たちが通うのは私立フローラル小学校というところです。
担任の花村先生もとっても優しいので、毎日とっても楽しいです。
でも、最近少し困った事があります。
それは……。
「りくるちゃん、今日も元気にフローラル!」
教室のドアを開いた途端、2人の男の子に挨拶をされました。
「お、おはよう、イツツくん、しよくん。朝から元気だね」
「りくるちゃんに会えたから!!」
「そ、そうなんだ……。私も2人に会えて嬉しいな」
「きゅん」
小さく声を合わせて2人が言った。
きゅん……ってなんだろう?
「ちょっと!! イツツくんに、しよくん!! りくるちゃんがびっくりするじゃない!!」
「パクリ女は黙ってて!!」
イツツくんが敵意むき出しでさよちゃんに向かって叫んだ。
それに習ってしよくんも、うんうんとうなづいた。
「僕たちはりくるちゃんに用があるんだよ」
「りくるちゃんは私と話してたのよ!! あと、パクリ女ってなによ!! 意味が分からないわよ!」
「まずその、イツツの象徴のツインテール!! 」
「その二に、そのお嬢様口調!!! それは僕の象徴!!」
「はあ? イツツくんはツインテールじゃないし、しよくんだってお嬢様口調じゃないじゃない! 」
「た、たしかに……。あれ? でもツインテールはイツツの象徴のはず……、あれれ?」
「僕もお嬢様口調じゃないけど、でも確かに……おかしいな」
話にならないわ、りくるちゃん、行きましょう!」
「え? さよちゃん、待って! イツツくん、しよくん、ごめんね。パクリがどうというのは私には分からないけど、あんまりさよちゃんをいじめないであげて欲しいな。
……お願い、聞いてくれる?」
「か、かわ、かわ、かわ!! 了解なり!!」
しゅっと敬礼ポーズで2人共私のお願いを聴聞いてくれた。
「良かった。ありがとう、優しいね2人とも」
2人とも顔が赤くなってるけど、それは無視して急いでさよちゃんの後を追う。
「全く、パクリ女ってひどいわよね? りくるちゃん」
「あはは、そうだね。最近のイツツくんとしよくんずっとあんな調子だもんね」
お陰であしらい方もだんだん分かってきちゃったな。
そう、最近の悩み事はイツツくんとしよくんのことです。
どうして、さよちゃんに噛みつくんだろうな……。
「きっと、2人とも私に嫉妬してるのよ! だから、私に噛み付いてくるのよ」
「嫉妬……?」
「きっと、2人ともりくるちゃんの方が好きなのよ!!」
「そう、なのかな…? そうだったら照れるな」
「りくるちゃんにその気がないなら、ガツンと言ってあげたらどうかしら? 迷惑だって」
「そんな、迷惑なんて思わないよ。私も2人の事好きだし」
「りくるちゃんは優しいわね。じゃあ、私の事は??」
「え? 好きだよ」
「そうだけど、そうじゃなくって……」
うねうねと体を動かしながら、期待の眼差しを私にさよちゃんが向ける。
「じゃあ、さよちゃんは? 私の事どう思ってる?」
「えっ!? それはもちろん!!! もちろん……だ」
「だ?」
「だ、大大大好き!!!!」
うぅ、りくるちゃんのいじわる!!
と涙目で訴えるさよちゃんが可愛いので、
いじわるはこの辺にしておこうと思います。
「わ、私もさよちゃんの事大大大好きだよ」
その後、さよちゃんには思いっきり抱きつかれてしばらく離してくれませんでした。
ギラリ……。
「ほほう、見つけたぞ。名は……りくる」




