ありふれた少女の下着
タイトルは適当 (二重の意味で)
はじめて妄想能力を試した日から、3年・・・
、、、嘘、1週間。俺は妄想し続けていた。
・・・いや、ちょと待ってくれ。字面が悪すぎる。
一週間、空想の世界を堪能しつつけてきたわけだが、ぶっちゃけすごくハマった。
なんでもできた。
ーーーミステリーの世界を妄想して完全犯罪を成し遂げた後、名探偵を煽ってみたり。
ーーー雲や虹の上を走ってみたり。
ーーー現実なら高くて食べることの出来ない、世界中の美食という美食を極めてみたり
そして何よりこのチート、
自慰が捗るのだ。
汚い話かもしれないが、健全な男子高校生としてはすごく重要な問題である。
これまで俺は、モテない事や、性病への不安、人嫌いなどの理由により、彼女を作るどころか、そういうお店にお願いすることもできなかった。
しかし、これは性の革命である。自分の妄想により生み出されたんだから自分が思うだけで、病気どころか、皮膚常在菌まで消し去ることが出来る。
画面越しでしか見たことの無い大人気女優(美少女)や、二次元のヒロイン(処女)と、ノーリスクで行為に及ぶことが出来るのである。
この事実に気がついたとき、俺は狂喜乱舞したし、一週間の内の後半5日間は、女の蜜にドロドロにとかされた。
・・・はへぇ。
男子高校生の考えることなんて、こんなもんである。
最初だけは、頑張ってバリエーション考えて色々やって見たが、すぐに飽きて、もうヤル事は性欲に操られることだけ。
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閑話休題
この能力、使っている間の時間経過は現実世界と妄想世界で基本的にはリンクしている。
だから、何も考えずに妄想世界で100年ぐらい過ごせば、きっと100年たった日本が見れることだろう。
まぁ暇潰しを目的に得た能力だからそれでいい。
基本的にはそうだが、別に、これは変えることができるっぽい。
妄想する前に、時間設定をしておけば、自由に妄想を楽しめる事がこの5日間で分かった。
『30分だけ妄想世界に行く。そして現実世界では時間経過無し!!』と、強く念じてから妄想すれば、妄想世界でどれだけ盛り上がる空想しようとも、30分したらオートで目が覚める。そして、現実世界に戻ってきたら全く時間が経っていないことになる。
この能力めっちゃ便利。
まじで、便利すぎてどんどん堕落していく。
神様まじ感謝。お祈りお祈り。
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今日も今日とて学校に向かい、スマホをいじり、帰って、妄想して、眠る。
最近、自分は死なないんだし将来の心配もする必要ないんだから、高校なんてやめちゃってもいいんじゃないかなと思い始めている。
適当に働いて、家を買って、後はゴロゴロするだけの生活を送りたいな、と。
俺は生きるのに、食費も、水道代もかからないんだから、頑張れば出来るんじゃね?
まぁそんな上手くいくはず無いのは目に見えてるからやらないんだけど。
只いるだけで金をどこかで消費するのがこの現実世界だ。案外長い時間をかけたら出来なくはないだろうし、山のなかで1000年妄想に浸るのもいいが、それは最後の手段だろう。
俺はスマホ中毒だから、電気がないところは嫌だ。
一応は、真っ当に生きてみよう。生きてみて、自分の不死性から、問題が起きたら南極にでもいって100年たったらまた戻ってこよう。そんなことを昨日の夜、寝る前の三秒で考えた
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毎朝のお祈りをした後、通学路を歩いていると、目の前に超絶美少女が通りがかる。
近所の公立高校の制服を着ていて、髪はロングの黒。気の強そうな顔立ちをしているが、まだ幼さの残る女子高生の輪郭とよくマッチしている。
げっへっへ。あの少女も俺の毒牙にかけてやるぜ (妄想の中で)
いでよ!!!『妄想世界』!!!!
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妄想の世界に入ると、先程までと寸分たがわぬ通学路の中、俺と美少女ちゃんだけが存在した世界が生まれる。
少女が恥ずかしそうに、スカートをたくしあげる様を想像する。
俺が何をしなくても美少女ちゃんは勝手に俺に都合よく動き出す。
ほう、気の強そうなな顔をして、黒ですか。いけませんなぁ。非常によろしくないですぞ。
最近思考が悪に染まってきたなぁ。元からかもしれんが。
いや、俺のせいじゃない。不死者特性のせいだろうか(すっとぼけ)?きっとそうに違いない(断定)。
いや、これは不死者云々は関係ない。男子高校性は皆こんぐらいのことしか考えてないイキモノなのである。
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何て事を一通り堪能して、目の保養を終えたあと、現実世界に戻り、てくてくとまた歩きだす。
目の前の少女は、自分が妄想のなかでそんなことをされたとは露とも知らず、学校へと向かっている。
その時、一陣の風が吹いた。
その風は、まるでラブコメの世界のごとく少女のスカートをめくりあげる。
さぁっすが匠。いい仕事するぜ、何て思いながら、俺はスカートの中身を凝視する。
ーーー言い訳をさせてくれ。
別に俺は、少女の下着を見たすぎて、凝視していたわけではない。はじめの理由はそうだったがそれは責められても困る、男の生理現象だ。
しかし、凝視の理由はそれではない。
問題は彼女の下着の色が黒だったことだ。
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え?どういうことだ?あの色は俺の妄想の中だけだろう?偶然?いや、、、
久々に混乱する。
都合のいい世界ばかりを見続けて、とろけきっていた脳みそが覚醒する。
しかし、頭の中でどれだけシリアスに考えていようとも、はたからみれば、美少女の下着を凝視している男子高校性の図でしかない。
風にスカートが巻き上げられたことに気がついた少女は急いで手でスカートの前を押さえたが、後ろを歩いている俺にとっては、そんなもの無意味だ。というか、余計に下着が強調されて、いい感じにエロい。
風が吹き終わり、慌てな慌てていた少女は、まさか、という感じで、おそるおそる後ろを振り返る。
ぎぎぎぎ、とロボットじみた動きで後ろを振り返る美少女ちゃんと、その下着を凝視する俺。
少女とは裏腹に、まだまだ混乱していた俺は、少女の形のいいお尻を凝視していた。
いくら前髪で目線を隠そうとも、さすがと言うべきか、やはり女性には視線というものがわかるらしい。それが冤罪の時もあるが、今回ばかりは俺は有罪だ。
自分の痴態が見られていたことに気がついたのだろう。俺の事を女性の敵め!とでも言いたげに、キッと睨み付けて去っていった。
硬直から立ち直ったときには、少女は曲がり角をスタスタと曲がって、見えなくなってしまっていた。
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学校が終わり家に帰っても、俺は今朝の事を考えていた。
美少女ちゃんの下着のことだ。
・・・何回みてもこの字面の犯罪臭がやべーな。
問題は、なぜ俺の妄想とリンクしていたか、だ。
可能性としてはいくつかあげられる。
①偶然
可能性としてはこれが、一番高い。
只の偶然。女性の大半は黒い下着を履いている。
別段マニアックで、変態的な、下着だったわけじゃないし、こんなもん偶然だ偶然。
②妄想の出来事は、現実で起こることになる。
これは逆に一番無い案だ。それだったら俺はもう、数多の女性に言い寄られていなければならないし、身体能力が、化け物レベルになってなきゃおかしい。
だって、今まで俺は、そんな都合のいい空想しかしてこなかったんだから。
これはありえない。空想は空っぽで、妄想は嘘ばっかだ。
③『妄想の悉知化』は、自分が知らないことでも見せてくれる
あり得なくはないと思っている。
俺はあの時、少女がスカートをたくしあげる様を想像していたが、下着の色は想像していなかった。
だから能力は、その精密な世界を形作るという特色を存分に活かして、現実と同じ色とデザインを俺に見せた。
少女の下着について、約100行に渡って考察してきたわけだが、証明のために、ひとつ実験してみようと思う。