13 文明発展図
文明論の中心となる、文明発展の循環をまとめた詳細図です。
人類は文明によって、現在の繁栄を得ました。
文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動ですが、
それを支える二本柱が、技術と政策です。
技術は〝自然〟に働きかけて富を生み出し、社会活動を豊かにします。
政策は〝人々〟の利害を調整して富を分け合わせ、社会活動を健全に保ちます。
技術が進むと、生活が豊かになると共に大規模・複雑・加速化するので、
政策もそれを健全に保つため高度化し、巨大化と分権化が同時進行します。
政策はまた、在来技術の限界を克服すべく、次世代技術の開発も促します。
注目すべきは、こうした文明発展の循環を繰り返すうち、
4種類の技術の中で、中心となる主力技術の性質が変わってゆき、
4種類の政策の中では、回り持ちのように重心が移行してゆくことです。
文明の発展段階を画する主力技術は、変化してきました。
農業技術は、体外物質の利用によって、
食料の安定供給を可能とし、文明を生み出しました。
工業技術は、体外動力の利用によって、
文明活動の規模と速度を増幅し、文明を世界に拡大しました。
情報技術は、体外情報の利用(演算・記録・通信)によって、
文明活動を効率化し、地球という限界への到達による衝撃を緩和しました。
人工知能は、体外知性の創造と利用によって、
人間自身を含む自然物と、機械など人工物の親和性を高め、
文明の持続可能性を実現しつつあります。
これに成功すれば、次はさらなる新技術の開発により、
本格的な宇宙開発技術の時代に進むことができると思います。
政策の重心もまた、変わってきました。
農業~工業時代には、灌漑事業や国防など、
富の(確保も含めた)生産のための、技術的政策が中心でした。
工業~情報時代には、産業立国や福祉国家というように、
富の(再投資も含めた)再分配のための、経済・社会政策が増えました。
情報~AI時代には、地球規模の自然的限界や社会統合、
人々の生活向上や少子高齢化等を背景に、
富を作って分ける人々自身の健康や教育を、人道的かつ公正に向上させるための、
人的資源政策が重要になっていくと考えます。
それができればAI~宇宙時代には、
可能な限りそこにいる全ての人が参画して、
多様な政策をバランスよく最適な形で行うための、
行政管理政策の役割が大きくなっていくのではないでしょうか。
重要政策が変化するというか、付け加わって先の方まで考えられるようになる、
という意味で、重心の移行と表現しました。
では、このような〝主力技術の性質変化〟や、〝4政策内の重心移動〟は、
何によって決まるのでしょうか?
そこにはやはり、技術の難易度や自然環境の状況、
技術の性格や社会環境の変化といった、
自然・社会環境と文明活動の相互作用からくる、
必然的な流れがありそうです。
例えば、社会がまだ貧しく、自然に開発の余裕が多い時代には、
まず生産が最優先となりましょう。
しかし社会が豊かになってくると、それを上手に配分しなければ、
内乱が起きたり、他国との産業競争に負けたりしてしまう。
社会が十分豊かになる反面、自然開発や領土拡大に限界が見えてくると、
今度は利便性や効率性の向上を巡って、競争が行われる。
いよいよ地球は限界、高齢化など人間自身の限界も見える一方、
世界の統合や生活の向上で、戦争や災害による淘汰も許されなくなると、
我々自身の向上も含めた惑星文明の持続的発展が課題になる。
それができたら、次はさらなる新天地を求め、
本格的な宇宙開発のために、新しい技術や政策が求められるようになる……。
そのような、各時代における自然・社会環境の状況や、
技術的許容性(難易度)・社会的必要性(需要)の変化が、
技術や政策における、文明の潮流を
形作っているように思われます。
技術においても、政策においても、
① 富の生産(確保も含む)→ ② 富の分配(再投資も含む)
→③ 人の向上(健康・教育)→ ④ 人の活用(参画・協働)という順序で、
それを可能にするような技術が主役を担い、
それを推進するための政策が重要になっていくようです。
人類文明がこれからも永続し、発展し続けていけるよう期待したいです。
この図で描いたのは、SF小説「Lucifer」や、
その要約版「『Lucifer』断章」を書きながら考えた文明論です。
この「Lucifer」シリーズでは、
星間文明でも惑星文明と同様の発展過程を辿るという想定のもとに、
銀河的国家の盛衰と発展を描きました。
こんな文明論まで考えられるような、創作上の刺激を与えてくれたのは、
アイドルマスターやバンドリ、ラブライブなどの、
素敵なYoutube動画作品でした。
それ以外にもアニメや漫画、小説、映画、音楽、フィギュアなど、
様々な作品から影響を受けました。
ここでは挙げきれない、全ての作品に感謝します。




