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聖犬アンの創世記  作者: 格有紀
8/15

朝の光がさしてきた

今回は閑話休題的に少しテイスト変えようとしたけど。。。

 目が覚めた。

 朝の光がさしてきた。


 甘い香りがする。

 ん?鼻先にむにゅむにゅするものが当っている。


 見上げるとアンの寝顔。

 なんと、アンの胸に抱かれて寝ていたのだ。


 そういえば、昨夜は転生祝いのディナーをしたんだっけ。


 テーブルに座っていると、ダンディな執事がやってきて、次々と料理や酒を出してくれた。

 え?どこから来たの?執事なんていたの?


式神(しきがみ)よ。ここにはいっぱいいて、家の掃除から料理、庭や牧場の手入れまでなんでもやってくれるのよ」


 アンはこともなげに言う。便利なもんだな。


 オレには小さな子羊のサイコロステーキを出してくれた。

 ほとんど味付けされてないから、実に美味い。


 アンはメインの子羊のステーキを美味そうに食っている。

 それ以外にもスープやサラダなんかいろいろあるみたいだ。


 アンの酒はソルティドッグ、オレはマルガリータ。

 共に本来はスノースタイルなのだが、イヌは塩がダメなのでスノーは付いていない。前世でも省略していたのでノープロブレムだ。それにショートカクテルだからイヌでもピチピチ飲める。


 毎日こんな食事ができたら幸せだなー


「だから言ってるでしょ、ここは別荘なのよ。これからは冒険の日々なんだから。今日は特別なのよ」


 はいはい。修行と冒険に励みますよ。


 ところで、これから出かける秋田って、江戸の東、

 つまりカムイヌが追放された「エドンの楽園」って江戸のこと?


「そんな都合のいい話はないでしょうけど、そうかもしれないわね」


 相変わらず真実なんてそんなもの、というわけか。


 そんな感じで、静かに前世では共に味わえなかった豪華なディナーを楽しんでいた。ディナーといえば、ワーグナーを聞きながらチクワを食べる「チクワーグナーの祭典」ぐらいだったからな。


 イヌの分際でマルガリータを3杯も飲んだのでだいぶん酔ってきた。

 アンも酔ってきたようだ。トロンとした眼で言う。


「アナタ、モウネマショウヨ」


 えっ?山のあなあな…


 考える間もなく、アンに抱き上げられ、ベッドに入り、寝てしまった…


 …でも、アンの胸は気持ちいいなー、幸せだなー

 ムニュムニュ、ツンツン、ペロペロ…


「何するのよ」


 キャイーン!


 ベッドの外に放り出され、床にたたきつけられた。


「朝ごはんが済んだら修行だからね」


 朝食はアンが卵かけごはんと味噌汁に香のもの、オレは猫まんま。

 至って質素だが、美味い。

 さすが式神(しきがみ)の料理の腕はなかなかのものだ。


「じゃ、始めるわよ」


 朝食を終えて、一息つくと、いよいよ修行開始。

 庭に出る。


 雲ひとつない澄んだ青い空、柔らかな日差し。少しひんやりとする透き通った空気。

 季節は秋、というところかな。


 けれども、薄く紅い、霧のようなものが漂っている気配がする。


「アナタ、『虚の気』を感じることができるのね。訓練しやすいように『実中の虚』の世界の近くに来たんだけど、これなら大丈夫ね」


 いよいよこれからか。

文中の歴史的あるいは科学的記述は全てデタラメです。

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