1.アメリカへ飛び立ち
私がハリー・ポッターにハマったのは確か小学生低学年のこと。それから私はイギリスが好きになり、海外に興味を持つようになった。留学しよう。そう思うようになってからの私は早かった。
英会話に通い、猛勉強して記憶力のない頭でなんとか英検1級までとったのが中学2年生の秋。もちろん、1級とったからといってペラペラに話せるわけではないし、むしろ リスニングが苦手な私にとっては外国人の会話を聞いていてもさっぱり理解できない。
まあ、家がそこまで裕福というわけではなかったし、三人兄妹のうちの末っ子である私は丁度兄の大学入学もあり、留学のためのお金がなかった。なので必死にお年玉を貯め、奨学金を貰い、私 立花 羅奈は何とかアメリカへの留学が決まった。
本当はイギリスが良かったのだが、しょうがない。
留学中は仮名を使うらしく、テストの筆記も先生に呼ばれるのも全部仮名だ。どうせなら可愛い名前にしようと思い考えていたのだが、ふと考える。‥‥これ、ハリポタキャラの名前にしたら、雰囲気出るんじゃ、と。
第一に思い浮かぶのはハーマイオニーだったが彼女はやめた。だって、J.K.ローリングさんが他の人と名前が被らないようにとハーマイオニーという珍しい名前にしたのに、我らポッタリアンが真似するなんてあってはならない。
そして次に浮かぶのはジニーことジネブラ・ウィーズリーだが、彼女の名前は‥‥何となく好みじゃない。ルーナは可愛いがなんとなく日本っぽいので無しだ。
チョウはイギリスじゃないし、パーバティやラベンダーは可愛いけどパス。
となると、最後に思い浮かんだのがハリー・ポッターの母親、リリー・ポッターだった。と、いうことで仮名は『リリー』にした。
そして、
「Well came ! From today thinking of me that it is your mother ! Come on , entered into . 」
赤毛ではなかったものの、それこそモリー・ウィーズリーみたいな人だ。この人がホストマザーとなる人。全部は聞き取れなかったが、とりあえず歓迎されていることはわかった。優しいハグがその印だ。あまり慣れていないので、少し顔が熱くなった気がする。
「Thank you.My name is Lily.Nice to meet you.Mrs」
初めて名乗る自分の名前に興奮する。私がそう言うと彼女はにっこりと笑った。
「Feel free to call and shallow .」
「OK.Mrs.shallow」
シャロさんはふっくらとした優しいおばさんだ。ちなみにここミラー家はシャロさん、ご主人、それから娘が二人と息子が一人いるらしい。息子さんと娘の一人は私と同じ学校で息子さんの方は同じ年らしい。つまり、高校一年生(日本では中学三年生)だ。娘さんのほうは二つ下で、もう一人の娘さんはまだ幼稚園だという。
今日は休みだが、息子さんのほうはどこかに出かけているっぽい。
「welcome! I am Emma . I Best regards !」
家に入ると可愛らしいブロンド髪の女の子が出迎えてくれた。カチューシャで前髪を止めていて、綺麗なグレーの瞳だ。
「Thank you!! I am Lily.Nice to meet you.
」
「Nice to meet you too.」
外国人って本当背が高いんだなぁ‥‥。私は平均的な身長のはずなのに、エマの方が少し高い。
「By the way , I you 'll very cute !」
「Oh , it's more of you are cute .」
いや、本当に。あなたの方が可愛いです。
嬉しかったのかエマは「Thank you!!」と私に抱きついた。身長的に埋もれそうになっているところにシャロさんという救世主が現れる。
「Emma , Try to about it .」
「Well...it was found , mom .」
それからリビング(といってもドアの向こうはすぐにリビングだが)に行くと、小さな女の子がいた。ブロンド髪を二つに結んでいる。
「Mom ...who?」
うん。可愛い()
子ども好きな私は女の子と目線を合わせる。
「I'm Lily.Nice to meet you?」
すると女の子はふわりと笑顔になった。
「I am Amelia !! Nice to meet you.」
可愛すぎか。鼻血吹き出すかと思った。
可愛いハグをもらって立ち上がる。
「Amelia also seems that like that of you .」
シャロさんがニコニコしながら言った。それからエマに家を案内してもらった。すごく立派な家だ。それからのちにアメリアの部屋になるという空き部屋をいただいた。
「I because to prepare for dinner , sit back though .」
「I will help .」そう言って立ち上がる。
「It's nice to relax ! 」
「No. I also because it is the daughter .」
少し自信なさげに言うと、シャロさんは少し驚いたように目を見開いたが、すぐに「Well , I ask」と笑った。私も嬉しくなって、にっこりと笑った。今夜は私が来たことを祝ってくれるらしい。本当にいい人たちだ。
料理しているうちにもう6時を過ぎたらしく、息子さんが帰ってきた。キッチンからは見えないが「Hey」と聞こえた。シャロさんにキッチンを任されたので、息子さんがどんな人か気になりながらも料理を進める。
声は聞こえるのだが何を話しているのかはさっぱり分からない。少しして声が近づいた。
「ーーーShe What kind of people ? Huh? She is here? Where are her...」
と、思ったらそう言いながら彼がキッチンに顔を出した。慌ててぺこりとお辞儀をする(今思えばなんでお辞儀したんだろう)。すると、彼は少しだけ目を見開いて「Oh!!」と感動したように言った。
「You huh Lily ? Much cute Japanese than I had heard ! I'm Harry . Nice to meet you!!」
ハリーキタァァァッ!って叫びたかったけどグッと我慢する。しかもかなりのイケメンだ。鼻高い!ダークブロンドの髪にグレーの瞳がすごくクール!!やっぱあれだな、シャロさんにエマにハリーくんに、外国人ってみんな美人だな!!!くそぅ!!鼻高い!!てかこんなイケメンに褒められるなんてもう死んでもいい。やっぱ死ねないけど(
「Thank you. As you said, I'm Lilly . Nice to meet you.」
あぁっ、ハグされた。くそ、いい匂いする。もう癒しだこれ。あと身長縮めちくしょう。と、そこに彼が一言。
「you small !」
失礼な。
なんて言えないので、曖昧な笑顔をつくる。
「haha」とりあえずわらった。
暫くしてご主人のローガンさんが帰ってきたが、凄くいい人で、なんと結構なお駄賃を貰ってしまった。ご主人はホテルを経営しているすごい人らしい。あぁ、これからが楽しみだ。いろいろな期待を込めて微笑んだ。