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公園の待ち人4


「に、西嶋さん?」


『どうしたんだ、麻衣。こんな夜更けに。もしかしてイタズラ電話か?』


「そっ、そう! イタズラ電話だべ! 略してイタ電!」


「まいー?」


「ひぃッ!?」



 びくっと肩が揺れて隣を見てしまった。殺気を感じ取っちゃった。このままじゃ、Esじゃなくって真理に殺されてしまう。そう思った瞬間にスマホを奪われて、



「麻衣に変な手紙が届いたんです」



 ぁ、あっ……。勝手に話が進んじゃってる。ど、どうしよう。なんとかして止めないと。そうは思っても、大場のおじいちゃんの名前を出してから一言二言で完結しかけてる。



「失礼します」



 終わったし。



「よかったね。総司令官、黄志(きし)さんと緑川(みどりかわ)さんを呼んでくれるって。私は起きて吉報待ってるからねっ」



 微笑みながら言われたその言葉に、私は瞳を伏せて肺に溜まった二酸化炭素の塊を吐く事しか出来なかった。


 それが、およそ三時間前の出来事。私は今、こうやって二足歩行型兵器試作弐号機、通称『Blue(ブルー) eye(アイ)』に搭乗してる。コックピット内は私の重苦しい空気が充満していて、能力を使ってるわけでもないのに疲労してるような気がした。気晴らしにでもテレビ見てみようかな。


 ガラケーのワンセグ機能でテレビをつけると、



『――eyeです! Blue eyeが姿を現しています! テロリストやアンチ霊保武装集団との戦いで0%という脅威の被弾率を弾き出している謎の戦闘マシンが、今ここに! マイナス3Gから最大15Gと言われている殺戮マシンには、一体どんな猛者が乗っているのでしょうか? はたまた無人機なのか!? 何度も申し伝えますが、あの機体が姿を現した時、そこは戦場となります。今のところ動き出す様子は――』



 ……やらかした。ステルスモードし忘れてた。凡ミスだし。ってかマスコミ早いなぁ。誰が通報したんだろう。警察かな? さっきから風を切る音が聞こえると思ってたら、まさか報道局のヘリだったなんて。自衛隊の青森地方協力本部が演習してるかと思ってたよ。市民のみなさん、ごめんなさい。こうやって森の木々の間に膝をついて隠れていればバレないと思っていました。



『それと?』


『前崎アナウンサー、どうかされましたか?』


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