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公園の待ち人26

 うぅ……。なにも二人揃って口調を荒げなくても。



「あのね、今、真理に壱番隊の役割を一時的にやってもらってんべさ。そのまんま青森支部へとおじいちゃんの魂を連れて行ってもらうんだべ」


『ふーん』


『なるほどね。そうすれば、自動的に死神をEs応戦用都市へと誘導出来るってワケか』


『ひっ! し、死神なの!? あの黒いモヤ!』


『あっれー? 近くで見たのに気付かなかったんだー? ちゃんとオムツは履いてきてまちゅかー? お漏らししたら大変でちゅよ~?』


「かなみん、挑発しすぎ」



 てへぺろ、とわざと間抜けな声を出してポーズを取ってる。喧嘩するほど仲がいいって言うし、今年のインターハイも楽しくなりそう。真理には……後で私から謝っておこうかな。今のところのエースとして。どうせ真理の事だし、怒りを押し殺して眉間にシワを寄せてるに違いない。せっかく可愛いのにもったいない。



『本当に大丈夫とかいな。ばり不安になってきた』



 指人形を即時収納して、飛行に専念するみどりん。ごめんね、情けないエースで。ていうかそんなにエースになりたいんなら交代してもいいよっ!? どうぞどうぞ。


 無駄な思考を張り巡らせてる最中に、私はいつの間にかBlue eyeをステルス化したポイントまで来ていた事に気が付く。ちらり、と青森支部の方角を見てみると、真理は私の言った通りにEs応戦用都市へと死神様を誘導してくれたみたい。支部の(ろく)番隊たちが誘導灯をそれぞれ二本持ってホイッスルを鳴らしながら道を作り真理を招いてくれてる。見つかる前に乗り込まないと厄介な事になる。真理ってBlue eye嫌いだし。絶対にバレたくない一人ってところかな。真理がさっきのニュースを見てなくて助かった。……って、今、もしかして真理一人? 他の二人は? 飛行速度は、真理を除いた私たち三人のうち、私、みどりん、かなみんの順で速いはず。なのにみどりんの姿がまだ見えない。


 こっ、これは、言うまでもなくヤバい。とにかく、私も青森支部に突撃しなきゃ。なりふり構っていられない。死神様の攻撃なんてくらったら、いくら真理が特三級だといえど一撃死も考えられる。それだけは避けないと。


 ブーストをフルにかけて、私は青森支部内に到達した。黒いモヤが形を変え、鋭利な刃物を真理に振りかざした瞬間、なんとかセーフで捨て身のタックル。支部の対物ガラスには青い光を放つ目がくっきりと映し出されている。



「……ぇ。なんで、Blue eyeが私を――?」



 今にも泣き出しそうな、だけど、ちゃんと生きてる瞳を見つめて、安心とともに深く反省した。無闇な指示は命取り。十秒先が見えたとしても、それ以降の未来はRed eyeを発動しないといけないし、明日明後日が見えるわけじゃない。今の捨て身タックルは本当に運が良かったに過ぎない。この一撃で左腕は半壊し、スパークが迸っている。『左パーツ、ダメージポイント68%。射撃に不備が発生します』と男性AIオペレーターが私に警告してくる。こんな機能あったんだね、なんて思ってる場合じゃない。


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