公園の待ち人25
それに加えておじいちゃんの力も枯渇してる。されるがままになってる。この時間帯に起きてる壱番隊っていないの!? 元から青森支部に壱番隊が少ないからか、十人中誰からも連絡がない。……そういえば、あの場所は。
「真理、聞こえる?」
『んっ? どうしたの、麻衣。もう終わった?』
チャンネルを周囲から特定へと指定して、私は安堵した。本当に起きてて待っててくれたんだね。
もしかしたら、なんとかなるかもしれない。インターハイで唯一、スピード負けしてない真理なら。
「真理、よく聞くべ。今、弘前病院上空に黒い影と霊魂が移動してるだ。黒いモヤから霊魂だけ回収して、Es応戦用都市……日霊保青森支部へ向かってけろ」
『え? ちょ、意味分かんないんだけど。どうしたの、突然』
「理由なら後で説明するだよ! 今は一秒も惜しいべさ!」
『――なんなのよ、もう』
遠くからだけど、病室の窓を開けて上空を確認し、とてつもない速さで追い付いて霊魂を奪ってる姿を確認した。さすが、一秒で二県を跨ぐだけの事はあるね。
『――ッ! なにが起こったの? 光……?』
かなみんが驚いてる。まぁ、そりゃ全速で追い付こうとしてるけどジリジリ離されてる最中に、真隣を何倍もの速さで駆け抜けられたら、そう言いたくなる気持ちも分かる。でも光はもっと速いでしょ。
「特三級の真理だべさ」
『ま、真理!? あの全国の決勝で戦った、岩手高校伝説の先鋒!?』
『その節はど~も。アンタのバカ力がなかったら、私たちダブルエースが五人抜きして全国制覇してたものを……』
『ね、根に持ってんのね』
『「一気通貫」? 敵チームの体力ポイントを根こそぎ無力化するようなチートスキル持って団体戦に参加してんじゃねーわよっ!』
『……ぁ? テメェふざけんなよ? 麻衣の親友だからって甘い顔してりゃ言いたい放題言いやがって。泣かすぞコラ』
『やってみなよ。私に追いつけるならね』
や、ヤバい。まさか通信機越しに口喧嘩し始めるなんて思ってもいなかった。
「そ、そんな事言ってねぇで、作戦を……」
『だから、どんな作戦だって聞いてんのよ!』
「ひんっ! ど、怒鳴らないで……」




