公園の待ち人2
今気付きましたが、なんか妙な所で()してルビが振られてある。。。
ワード2007のコピーですので、ご了承ください。゜(゜´ω`゜)゜。
学校から帰宅し、ポストを開けた時だった。珍しく私宛に手紙が届いている。横長型の封筒には『赤羽麻衣殿』と達筆で書かれてあり、春の匂いがした。
今時メールじゃなくって手紙……? 軽く首を傾げるも、理由は分からない。差出人を見て愕然としている私がいる。
「お、大場……真咲」
噂には聞いたことがある。世界で唯一、SSS級の天使と互角に渡り合った人物。神に出会えば神を斬り、魔神に出会えば配下にすると言われている生ける伝説の特三級霊師。階級は私よりも低いけど、個人の力では間違いなく日霊保のトップ集団に当たる。対人戦で、世界で名高い特一級……私や黄志夏那美、緑川葉月のような相手を千切っては投げ、千切っては投げ、挙句には世界ランク1位を赤子の手を捻るように楽勝したおじいちゃん。
「な、なしてこげな人が……おらに?」
不思議で不思議で、つい声に出してしまった。単なる特一級の私に名指しで手紙を寄こすなんて、ただ事じゃない。会った事もないのに。っていうか、よく住所知ってたね。
棒立ちになったまま数十秒、私はほけーっと手紙を見つめている事に気がついて接着部を剥がしてみる。なんだろ? もしかして、後継者がほしいから弟子を募集してるのかな? 誰ともつるまないし弟子を取らない事で有名だった人だから、その分ありがたみがある。強くなればなるほど、お給料が増える! こんなに素晴らしい事はない。皮算用で綻ぶ頬を無理に引き締めながら、私は手紙の内容を見てみた。
『助けてください』
最初に飛び込んできた文字が、それだった。
ぇ。……エ? えっ!? ぃぁ、あの、ちょっと? 意味分かんないんですけど。どこからどう見ても、私の方が弱いんだけど。
恐る恐る最後まで目を通して、読み終わった頃には口から魂が出て行ってしまいそうなくらいに絶望していた事に気がつく。無茶振りすぎるよ、この内容。な、なんで私なの?
……見なかった事にしよう。そう、私は今日は家に帰らず日霊保青森支部で一泊するんだ。親友であり戦友の真理も支部で寝泊まりしてるし、心強い。うんうん、そうしよう。
「おどっちゃ(おとうさん)、かにな(ごめん)。おら、今日は青森支部に泊まるだ」
独り言のように呟く。そう。私は決して逃げてなんていない。たまには真理と一緒の布団に入りたいだけ。怖くないもん!
「……で? どうして麻衣は、そんなに怯えてるの?」
青森支部の一般隊員宿舎付近。弘前病院前にて私は心臓が飛び出るくらいに驚いたと思う。