公園の待ち人19
ぶっちゃけ、未練は腐るほどある。だけどそれは――
真咲と一緒にやりたかった事。
春はお花見して、夏は海や水族館行ったり、秋になったらお芋焼いたり、冬は冬でふきのとうを見つけて、はしゃいだりしたかった。
だけど、それはもう叶わない夢。
私は、自分の一途さに腹立だしさを覚えた。あいつを待っていなければ、こんなに苦しむ事なんてなかっただろう。
だけど……同時にこんな優しい感情も生まれなかったはず。
「覚悟は出来たみてぇだべな。そしたら、おらの目を見てけろ。記憶の糸を辿ってやんべ」
「ぇ?」
両肩に手を置かれ、素直に少女の瞳を見つめる。今まで茶色だった瞳に別の色が宿っていくのを、この目で感じ取っていた。
苦痛に耐えているのか、彼女の喉奥からうめき声が聞こえてきた。ゆっくりと両目が閉じられていくのと同時に、第三の目が開いていく。金色に輝くそれを見つめていると、天国に誘ってくれているかのように綺麗だった。吸い込まれて、全てを見透かしそうなその目は私をまっすぐ見つめている。不思議と恐怖は感じられない。
「God eye……万能ね。霊視まで出来るなんて」
「だけど麻衣さん、めっちゃしんどそうやね。病弱やなかったら、もしかしたら……」
二人の声は私には届いていない。この世の者とは思えないほどの神々しさで、いい意味で息が詰まりそうになる。
「あ……アンタ、何者なの……?」
「単なる日霊保の一員だべさ」
日霊保……噂には聞いたことがある。日本霊能保安協会の略で、霊媒集団。トップ集団は神に匹敵する力を備えている、って聞いたけど。
「……そっか、おめ――」
少女の開いた丸っこい眼差しを見ていると、なにかを感じ取ったかのように喋りだす。
「ずっと、この桜の木を……伐採されそうになっても、思い出を護り続けてきたんだべな?」
「悪い?」
「そして十六の時、暴走したトラックにはねられて即死。一番思い入れが強かった約束を引きずって、地縛霊になって今に至るんだべな……」
日霊保なんて中二病の集団かと思っていたけど、よくもまぁそこまで分かるものね。逆に怖いし。
「日霊保ってさ、悪霊の浄化を主にやってるんでしょ? 私なんかズバッと一瞬で片付けないの?」




