公園の待ち人18
「じいちゃん……いや、真咲は? どこにいるの?」
「弘前病院だべさ。行きてぇべか? だばって(だけど)無駄だべさ。おめはこの公園に縛り付けられて動けねぇだよ」
「うそだ! 動けるもん!」
公園を走り抜け、出口を突っ切って道路に出る。
ほら、うそつき。行けるじゃん。――?
「あ、あれ?」
気がつけば、私は公園の桜の木の下にいた。
第三の少女は憐れむ様子も、嘲笑う様子も見せずに、ただその場に立ち尽くしている。
「も、もう一回」
行っては戻り、出ては戻り、……なんどやっても、結果は同じだった。
「おめ、本当は薄々気付いてんでねぇべか?」
「え……?」
「自分が、もう死んでいる事に」
たしかに……そんな気はしていた。
だけど、信じたくはなかった。
私が目を閉じると、私は消えてなくなる。
耳をふさぐと、鼓動を感じないと、私は存在しなくなる。十年前の約束を果たせずに消えてしまうと思っていたから。
だから、私は実感したくなかった。
「ひとつだけ、この公園から抜け出せる方法があんべ」
「教えて! なんでもするから! だから――だから真咲に会わせて……!」
「覚悟、出来てんだべな……?」
少女の言葉に、私はコクコクと頷いた。
「おらが呪縛を解いた後に、自分で成仏してけろ」
「絶対イヤよっ!」
思わず即答。
自分で成仏ってつまり、簡単に言えば『浄化しろ』ってことなんだよね?
そんな事したくない! これから先、真咲に会えないじゃん!
「そんな事言ってる場合だべか? おじいさん、逝っちまうべ。最後に、一目だけでも会いたいんじゃないの?」
「うっ……」
た、たしかに。そうだ。……真咲は、もう――
「……わかった。そうだね。真咲がいない世界なんて……」




