公園の待ち人17
でもこんなに素敵な宝石をくれるんだったら、どうして直接この公園に来てくれないんだろう? 代理人なんか寄越さないでよ。
あれ? リングの内側に、なにか文字が刻まれてる。
手紙の内容が気になって、二つ折りにされているものを開いてみた。
なになに? えーと……
『水無月加奈子さま。
本当は僕が直接約束の場所へ行きたかったのですが、このような形になってしまって本当にごめんなさい』
「……?」
『今まで二人で歩んできた道、とても楽しかった。でも、もうこれ以上僕の体は動きそうにない』
「なに、これ……どういう事……?」
『指輪は届きましたか? 十年毎に備えては持ち帰り、を繰り返していましたが、これで最後になりそうです』
十年……毎……?
『僕は今年で七十四歳になります。そして、その歳を超える事はないでしょう。
君は僕の誇りでした。来世では、一緒になれる事を願います。
追伸 桜の木を守り続けてくれて、本当にありがとう』
じい……ちゃん?
もしかして、じいちゃんが真咲……だったの?
マルギッタの花を添えてくれたのも、石を積み重ねてくれていたのも。
「泣いてんべか?」
「泣いてな――あれ……?」
三人目に指摘されるまで気付かなかった。とめどなく溢れてくる涙は、頬を伝い手紙を潤している。一体どれくらい泣いていたのだろう。一分? 十分? 一時間?
ぐじぐじ、と袖で拭い空を仰いだ。




