第三話 剣術
「はあ…はあ…」
弘以と悠太の疲れ果てた姿がそこにある。
「もう、七時か」
時計は夜七時を指していた。と言うことは、俺らがここに来て約十時間経つということだ。
「はらへったー」
弘以の声が道場中に広がった。か「今日はここで終わり。いいお店連れてってあげます。」
三郎がそう言うと弘以の目が輝いた。
ちょっと歩いたところにお洒落なカフェがあった。三郎はそこに寄った。
飯を済ませ、俺は隊とは何なのかを問うてみることにした。
「隊ってなんなんですか。」
その質問に三郎こう答えた。
「この隊は一つ一つ違う役割があり、この国を守ることを目的に存在しています。どの隊も鏡内を守っています。一番隊から十番隊まであり、入隊テストを受けて、受かった人のみ健吾総隊長よりどの隊のどの席官につけるかが変わります。」
彼の説明は良く分かる。さっきは分からないとか思っていたが、今ではもう理解している。分からないことはまだ沢山だが、今のところはもう大丈夫だ。
隊舎という建物に戻った。この建物は鏡十隊という鏡の国を守る隊で、一つ一つの役割と一人一人の役割があり異次元からくる敵を倒すため準備をしているらしい。俺はそういうファンタスティックなことには興味があった。だからこそこの世界にいたいと思った。
次の日。俺らは三郎からある手紙を受け取った。
「お前らはこれに参加してもらう」
そこには、鏡十隊新規隊員募集大会と表示された紙があった。その大会は毎年開催されるイベントで、毎年すごい人材を見つけているらしい。
「俺たちがですか?」
弘以が聞いた。
「そうだ。」
威勢のいい声で三郎は答えた。無論、躊躇いはない。
「できますか?」
「ああ。お前たちならできますよ。」
三郎の声に俺ら三人元気が出た。
鏡十隊新規隊員募集大会が次の日と迫ったこの日、俺らの能力は三郎曰く、九番隊第四席レベルと言われた。鏡十隊は十個の隊に別れている九が一番弱く一が一番強いと。三郎は七番隊に所属するらしい。
三郎は俺らの才能を見込んでくれた。明日は絶対にいい結果残して、鏡十隊に入る。俺は強く誓った。
夜、俺らは今の気持ちを打ち明けた。弘以も悠太も不安はあるが明日は精一杯やると強く言った。
少し早く目覚めた悠太と弘以もそうだ。外に出ると大きな怪物がこちらに迫っているのが見えた。
「な、なんだあいつは」
俺は思わず声を漏らした。
「分かんねーけどやべーよ絶対。」
弘以も悠太もおどおどとしている。かし、つ次の瞬間俺らはこの国の凄さを思い知る。高層ビル五階ほどの高さのある怪物は一太刀で消えた。
そこにいたのは、紛れもなく、健吾の姿だった。彼の強さに驚かされた。あの大きな怪物は鏡大と言われ、鏡の国最高クラスと言われていた。すごい俺もこうなりたいと強く思った。