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友情を越えてはいけない関係!

作者: 史町
掲載日:2025/10/15

創作を応援してくれる少女、

創作は格好悪いと周りから言われていた少年。

この関係は『友情』だけで済む?

もちろん、相合傘ではない。

相合傘ではないんだけど、なんだろう。なんでなんだろう。


『あなた、小説家になりたいの?』


僕のノートを見て、この人は確かにそう言ったのに。

笑ってはいなかった、いつものように、真面目な表情で。いつものように、て言っても、入学したばかりだから、この人のことは全くわからないんだけど。高校から同じだし。

チラリ、と僕は見る。

隣で傘を差し、歩く少女。やっぱり、真面目な表情。融通のきかなさそうな。

「あの」

「はい?」

「僕たちは今、どこに向かっているの?」

「図書館です」

図書館らしい。

もしかして、この人は。いや、きっと、皆と同じ、期待はしない方がいい。もしかしたら、偉大な作品を見せて「だから諦めろ」と言うつもりなのかもしれない。真面目だからそうだ、絶対にそうなんだ。




「さて、本を借りましょう」

図書館の前で、唐突に言ってきた。

「カードは持っていますか? 持っていないなら今回は私のを使いますが。作らないといけないかもしれませんね」

「い、いや、持ってるよ。大丈夫」

なんだけど、なんだけど。


「古典作品は、読んだことありますか?」

「少しだけ」

「心理学や宗教は?」

「全くない」

「わかりました。じゃあ、あなたは読みたい本を3冊選んできてください」

「う、うん」


「今回はこの10冊を借りましょう」

やっぱりのやっぱり、真面目に少女は言う。

…。

「どうしました?」

「笑わないんですか? バカにしないんですか? 小説家を目指している僕を」

僕は、小さい頃から、小説家になりたいと思っている。隠れて、ノートに書いたりして、頑張ってきた。

でも、周りは理解してくれない。全く理解してくれない。

『才能あると思ってるの?』『小説書くとか変だよ』『作家は一握りの人しか生き残れない!』

言いたい放題に。

バカにして、嘲笑って、格好つけて哲学じみたことを言ってきて。

何もわからないくせに、僕の何を知っている?

なのに、この人は。真面目に図書館に来て、真面目に、僕のために本を選んでくれて。

「小説家目指しているって変じゃないですか?」

僕は聞く。

すると少女はため息を吐き、

「夢を抱くあなたは、好きですよ。夢を抱かず惰性で生きる人よりも。

私は、あなたが好きです。人として尊敬します」

告白みたいなことを言ってきた。




「さ、バカなこと言ってないで借りましょう。小説家を目指すのでしょう、時間を無駄遣いしませんよ」

「う、うん。わかった」

僕たちは、カウンターへ、本を持っていく。

「どうしました? カード、持ってるんでしょう?」

「あ、う、うんっ」

やばい、頭が全く回らない。

違う、さっきのは告白じゃない。人としてって言ったじゃないか!

心に言い聞かせても、いくら必死に言い聞かせても、全く聞いてくれない。

『友情』で終わらせないといけない関係。

済むだろうか、『友情』で。

読んでいただき、ありがとうございました。


甘いけどポップなラブソングを目指して書きましたが、いかがでしたか?


少年が作家になれますように!

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