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始まり始まり
あるところに本好きの少女がおりました。
その少女はそれはもう本が好きで好きで堪らなく『本の虫』と呼ばれるほどでございました。
いざ買い物に出ればその街のあらゆる書店へ足を走らせ…そして多くの書物を買い漁りました。
「あぁ、今日も幸せだわ。他に何もいらない」
それが彼女の口癖なのです。
例えどんなに盛大に腹の音がなろうと、それは少女にとっては何の問題にもなりません。
自分がどれだけ流行の遅れた服を着ていようと、着古しぼろぼろになっていようと…誠にどうでも良いのでございます。
『本』ただそれだけが彼女を作る全てであり、生きる糧なのでございます。
さて、この少女は何者なのか。
気になる方もおられるでしょう。
僭越ながら私がご紹介いたしましょう。
『本の虫』とも呼ばれる彼女…
その正体は世界最古の13番目の魔女
『戦慄の魔女 アイリス』