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rainy day

作者: はとたろ

なぜか雨の日はいいことがある

そんなジンクスを不思議に思いながら思いがけない一期一会が訪れた…

雨の日はついている


べつに雨が大好き、というわけでもないが晴天よりも雨の日のほうが何故か物事がすんなり運んだり


いいことがある


妹が雨女のせいだろうか…


因みに私は晴れ女でも雨女でもない


歯医者の帰り道 お昼を作るのも面倒になりマックに寄ってバーガーとナゲットとシェイクを買い家に向かって歩いていると…


「落としましたよ」


ふいに背後から声をかけられ振り返ると


見た感じ34くらいのイケメンが私の携帯のストラップの青い鳥さんのピンクのお洋服を手に持って微笑んでいた


「あ…れ?」


ふと気づいて鳥さんを見て見れば真っ裸である

そっか、拾ってくれたのね


「ありがとうございます。気づきませんでした」


「いいえ、よかった。僕もぬいぐるみが好きなので


これ…手編みですよね?すごく可愛い」


へぇ…男性がぬいちゃんのお洋服に興味を持つとは…しかもその質問、 よくぞ聞いてくれましたっ


「私が編んだんです。妹に教わって最近編み物を覚えたので下手だけど…」


照れながらも聞いてくれたことが嬉しくて私達は近くの公園に寄ってベンチに腰掛けぬい活について語り合った


「男がぬい活してると不気味~って思われたり奇異な目で見られるからなかなか人に話せなくて…


あ、僕も作っているんですよ。」


彼はそう言って空色のフリルのワンピを着たスズメのぬいぐるみを見せてくれた


「すご~い! お上手なんですね

まるで売ってるみたい」


彼はポケットからゴソゴソと名刺を出して渡してくれる


モフモフさん 株式会社 代表取締役 山田藤男


ええ~っ!!


「モフモフさんって…あの…やわらかいモフモフした子達ですよね? 私、大好きでうちにも三モフいます」


「それは嬉しいですね♪ 因みにどのモフですか?」


「ハスキーモフとスズメモフと鳩モフです。


鳩モフは10年前に一目ぼれしてお迎えして、スズメモフは去年誕生日に妹にブレゼントされて、ハスキーモフは出版社に持ち込んだ小説が書籍化された自分への


ご褒美にLLサイズの子をお迎えしました」


山田さんは目を細めながら嬉しそうに私とモフモフさんたちとの一期一会を聞いてくれた


「大切にしてくれているのが伝わります。あなたの養女になった子達は幸せだな」


「忘れてた! お洋服を拾っていただいたこの子は初代の青い鳥人間シリーズの初モフです」


彼はコクリと頷いた


「ひと目見てわかりました。ああ、手編みのお洋服を着せてもらって嬉しそうだなって…


だからつい嬉しくてお声がけしてしまったんです」


「そうだったんですか」


「ところでその子のお名前は?」


「ササミです」


思わず彼の目が点になる


「ササミ…ってあの…もしかして鶏肉の…」


「はい、ペッタンコでスレンダーでなんだかササミに似てたんで…私、好物なんですよ(笑)」


ぷっ、あっはははは


彼は我慢出来ない、といった風に大爆笑


「やっぱり…おかしい…かな」


「いやいや、とんでもない


笑ってごめんなさい。言われてみれば本当にそうだなって思って…ふっ、ふふ、くっくっく…」


「名前って大切ですよね。因みに鳩モフはポッポ、スズメモフはマッキン、ハスキーモフはぱぱぁんです」


ついでに名前の由来もしっかりと伝えると彼は大いに喜んでくれた


「嬉しいな。あなたのような方に可愛がって頂けるように僕はこの子達を産んだのかもしれない


ここで出会ったのも何かの縁ですね…もっとあなたといろいろ語りたくなってしまいました」


「私もです♪あの、ご迷惑でなければメアド教えて下さいませんか?」


「喜んで! ラインも交換しましょう」


「あの…お恥ずかしながら…私、ガラケーを愛するガラケー派でスマホは持たずにガラホを使っててラインしたことないんです」


「そうですか! 素敵なポリシーですね


了解です、メアド交換しましょう♪」


「僕もガラホに変えようかな…考えてみれば携帯なんて話せればいいですよね」


「そうです、そうなんですっ。話せてメール出来て写真撮れればいいんですよ。


平成時代はデコメとかも綺麗で楽しかったしガラケーで検索も出来たのに猫も杓子もスマホばっかりで…


スマホを全否定するわけじゃないけれど私はパソコンで十分だし、ガラケーを愛する人もいるって携帯会社に理解してほしい」


彼は頷きながら私が手に持っていたマックの袋に気付くと…


「長話しちゃって冷めちゃいましたね…ごめんなさい」


「いえいえ、大丈夫です。帰ってレンチンするし」


「それじゃこうしましょう!僕もマックが好きなのであなたの持っているものを頂いて新しく買いましょう♪


すぐそこですし…」


えっ…そんな…ちょっと嬉しいけど…悪いしなぁ…


「遠慮はいりませんよ♪ さあさあ、行きましょう♪」


彼は私の心を読んだように私の手を握るとマックへと向かって歩き出す



やっぱり雨の日はついている





happy ending






読みやすい超短編です。


雨女からヒントを得ました

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