《魔雪戦争︰ルミタールの戦い》蹂躙
「何で鬼?!」
メイクは突然現れた鬼に困惑を隠せずに居た。
確かに【鬼ヶ島】も【魔導帝国】に宣戦布告をしたが、まさかこんな登場の仕方で現れるとは思わなかった。
「えっ、何で倒れてるんだ?!」
その10秒後、更に別の鬼が突然出現した。
何が何だか分からない内にメッセージの通知を受け取った。
メッセージログ
パッツパツ︰今そこに鬼達を二人送ったよ
そこでそういえばパッツパツの受け取った権能は〈転送〉だった事に気がついた。
そういう事ならと納得して、鬼達に九尾の焔を投げる。
「しかもなんか、寒いな……うん? これは……?」
「鬼さん、突っ立ってないで援護お願い!!」
「何が何だか分からんが任された!! おっ、あいつらが【魔導帝国】の奴らだな」
鬼は金棒を担いで攻撃の標的を【魔導帝国】に定めた。
(あれが鬼……噂には聞いてたけど強いな)
(しかも〈結界〉で威力減衰があったとは言え、俺たちの全力を喰らって気絶程度で済んでやがる)
そんな【魔導帝国】側は突然現れた鬼の強さに驚きながら、勝ち筋を分析している。
(それに、あの女も然りあの鬼も然り、何で当然のように鉄装備を着込んでやがるんだ)
鬼の耐久力も当然驚くべき事項なのだが、何より鉄が普及しているのが一番の驚き事だろう。
今の時代、鉄は貴重で大体の金属製品は銅が主流である。
なのにも関わらず彼らを見てみると――――
鉄の盾と鉄で出来ている槍先、鉄の鎧によるファランクスに、鉄の鏃を使用した弓の援護射撃、更には鬼の金棒まで鉄製品である。
今までの【神聖マヨネーズ】との戦争とは違って、今回の【スノーフォックス】との戦争は装備の質で【魔導帝国】が負けている。
もし魔法による底上げが無ければ、もっと差が顕著に表れていた事だろう。
「――――――来るぞ」
「お前らなんぞ一人で十分だぜ!! はっは〜!!」
「撃て!!」
「「「「〈ファイヤージャベリン〉」」」」
鬼の踏み込みに合わせて、本来ファランクスに撃ち込むはずだった〈ファイヤージャベリン〉の一斉射撃を放った。
しかし――――
「これが魔法か、確かに熱いな…………だが!!」
鬼は煙の中から飛び上がり、魔法部隊に金棒を叩きつけた。
下敷きになったプレイヤーは勿論、その攻撃は地面もろとも破壊する程の威力を誇る。
周りに居たプレイヤーはよろけて身動きが取れない。
そして、その隙を見逃すはずもなく――――
「おらおら!! 突っ立ってると空の彼方に吹き飛ばされちまうぞ!!」
「ぐわぁ!!」「ふべっ!!」
「動け――ごへらぁ!!」「助け――――がはっ!!」
そこには蹂躙のみがあった。
「てめぇ、人を野球ボールみたいに打ち上げてんじゃねぇぞ!!」
それを見かねて怒羅魂は突撃する。
〈反撃の狼煙〉の攻撃力バフはまだ終わっていない。
今の自分ならばあの鬼にも喰らいつけるだろうと、そう思い鬼の猛攻の中に飛び込んでいった。
対するカヤザールは剣に炎を灯していた。
その勢いは業火の如く、敵前を焼き尽くす勢いで己と剣にバフをかける。
カヤザールの権能〈地獄の業火〉、その効果次の一撃に対する灼熱付与。
このゲームには様々な状態異常があるが、灼熱はその内の一つであり、効果は凶悪。
灼熱状態となった者は持続ダメージを喰らい、ダメージを喰らえば喰らう程被ダメが増加するというもの。
つまり、持続ダメージを受ければ受ける程徐々に被ダメが増加していくのだ。
例え鬼であろうと、流石にこの灼熱は堪えるだろう。
「喰らえ、〈地獄閃――――」
「〈巨大化〉」
その瞬間、カヤザールは巨大な矢に突き飛ばされて死亡した。
執筆している時に思ったんですよ。
あれ、鬼さん強くね?.......って。
そして戦場では一瞬の油断が命取りとなるのだ。




