狐の独白
玉藻前視点。
「なら……俺をその駒にしてくれないか?」
「ほう?」
最初、その男は変わった奴だと思っておった。
九尾の狐の妾が相手でも何の怯えも無く会話できるような胆力を持ち合わせてる男だと思っておった。
無論、その気持ちは今も変わっておらん。
トグは鬼の王と対峙しても、ごく普通に会話してのける程には大物じゃからの。
しかし、トグはいつも遠くの方を見ていたんじゃ。
これだけの事をしてまだ足りないと嘆いておった。
違和感はあった。
イエティと対峙した時や【魔導帝国】なる単語を聞いた時の高揚感、それに比例するような罪悪感。
トグは葛藤していたんじゃ。
本来なら今すぐにでも【魔導帝国】に喧嘩を売りたいのだが、それでは国がどうなるか分からない。
まず間違いなく迷惑がかかると。
その気持ちが日に日に大きくなって慟哭へと変わる。
妾は九尾の焔を持たせた者の感情を読み取れる故、その気持ちがこっちまで押し寄せてくるんじゃ。
トグを苦しみから解放しなければ。
その旨をメイクやパッツパツにも伝えた。
二人は少し考えた後、了承してくれた。
妾は――――いや、我々はトグの我儘を許す事にした。
何故二人は了承してくれたか、それは多分……二人も同じだからじゃないかの。
エピソード「ようこそ、白い世界へ」の最後にて玉藻前は九尾の焔を通じて監視カメラのように周囲の状況を理解できるとされてきました。
当然今の今まで九尾の焔はずっと一緒だったので、これまでの冒険は筒抜けだったんですね。




