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正夢になったかも

「うわあああぁ!!」

その言葉で俺は飛び起きた。


外では小鳥が楽しそうに鳴いており、庭に植えたキンモクセイの木の葉が風に優しく揺らされていた。

「はぁはぁ、、何だ夢か」


俺の名前はカイル・ローレンス。ヴァルシア王国のローレンス公爵家の長男で今年で5歳になる。


ヴァルシア王国は建国から神竜の加護を受けており、神竜による強大な結界で国土は守られている。

王国は大昔に神竜に選ばれた一族の子孫、ヴァルミス王家が治めている。俺の生家、ローレンス公爵家は王国の四大公爵家の筆頭格で桁違いの魔力を持つ子供が生まれる一族だった。


そして、俺の部屋に繋がる廊下からすごい勢いの足音が1つ。

「カイル様、ご無事ですか!?」


たった今、部屋のドアを破壊する勢いで開けたのは俺の専属執事のイアン。

俺が生まれる前からローレンス家に仕えており、俺の身の回りの世話だけでなく教育係も務めている。


「ああ、イアン。俺なら大丈夫だ」

一見すると爽やかな好青年だが、こいつには1つ困ったことがある。

それは…


「本当ですか?外にいても聞こえるくらい大きな悲鳴だったんですよ!」

「本当だよ」

「もしや、公爵家を潰そうとする不届き者に襲われたのでは…!」

「違うって!イアンは心配しすぎなんだよ」

「私はカイル様の執事です。何かあってからでは遅いのですよ!」

「も~、分かったから。朝の支度させてくれよ」


そう、イアンはとてつもない心配性なのだ。

今みたいにちょっとしたことで異常なほど詰め寄ってくるのは普通、ひどい時は1日中付きまとってくる。


(まあ、確かに。朝から悲鳴はかなり異常かもしれないが)


「落ち着いたか?」

「はい、朝から申し訳ありません」


イアンは謝罪しながら俺の髪を宝物に触れるかのように丁寧な動きで整える。

その間に今日の予定や最近の事柄について話すのが俺たちの日常だ。



「カイル、今朝お前の部屋から悲鳴が聞こえたのだが」

「何かあったの?」

「いえ、今朝は少し夢見が悪くて」

「おにーしゃま、こわいゆめをみちゃったんですの?」

「うん、ちょっとね」

「じゃあ、リリがなでなでしてあげますわぁ!」


可愛らしい声と共に俺の額に小さな手がぺたっと当たった。

俺の膝の上にちょこんと座って額をポンポンとするのは俺の3歳年下の妹、リリアーナ。

まだ2歳で少々おてんばだが、俺のことを慕ってくれる可愛い妹だ。

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