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婚約破棄される夢を見た
「カイル・ローレンス、貴方とは婚約破棄させてもらうわ!」
華やかなパーティーの真っ最中、それは突然起きた。
玉座に続く階段を数段登った場所には俺の婚約者である王女と男爵令息が俺を見下ろしていた。
「な、なぜですか!王女殿下!!」
俺は混乱する頭を必死に回しながら、滅多に出さない大声を上げた。
「うるさいわね、なぜも何もないわよ。彼の方が私にふさわしいと思った、それだけじゃダメかしら」
「そんな…。だからといって、こんな公衆の面前で…」
オドオドと周りの目を気にする俺に、痺れを切らしたかのように王女は告げた。
「そういうところよ…」
「えっ?」
「公爵令息のくせに、そうやって周りの目を気にして怯えてばかりのところが大嫌いなのよ!!」
「殿下…」
「そもそも…」
王女はぎろりと俺を睨め付けた。その瞳は嫌悪と怒りで満ちていた。
「魔力しか取り柄のないガリ勉は私にふさわしくないのよ!!」