初めての眷属が仲間になりたそうにこちらを…
数分後
「ふぅ…危うくムスk――」
むにぃ
「ん?なんだこれは…」
汗を拭う仕草を止めて、足に纏わりついてきた物体を見る
「ビニール袋...?しかも何か入っている」
しかし、ビニール袋には結び目どころか持ち手すら無かった
「こんな森にもビニール袋はあるんだな」
そう言って物体を持ち上げると
――スライムが仲間になりました――
「ファッ!?」
何処からともなく声が聞こえてきた
「あっ…そうだ」
(こいつ……脳内に直接!)
「誰だ!姿を現せ!」
叫びながら辺りを見渡していると
[スライムが仲間になりました]
「あーなるほど完全に理解した括弧理解していない」
目の前に現れた文字を見ながら考える
[スライム:世界中に生息する魔法生命体
様々な種類が存在し、その数は数百種類を超える]
「スライムって青色とか透明のイメージだけど…灰色なのか」
もるん もるん
「しかもこのスライム地味に動いてるんだよな…」
腕の方にじわじわと上がってきているのを、腕を傾けて掌に戻す
ふるふる
「スライム社長が巨大スライムを作りたくなるのも今なら分かる気がする」
子供の頃に団子サイズのスライムは作ったことがあるが、ボールサイズはない
「スライムに名前を付けるべきかな?でも、名前考えるの時間かかりそう」
スライムを撫でながら名前の候補を考える
「ゲームでもキャラクターの名前を考えるだけで一週間悩むような自分には良い名前が思いつかない...」
頭の中でorzと膝をついて落ち込みながら必死に名前を考える
「スライム...スラ太郎シリーズ,スラ吉,スラ子,ウーズ,ブロブ...」
まおスラのリグル・ディザスターさんの名前も思い出したが、魔王ではないので、頭から振り払った
「金属だと...鉄,鉛,亜鉛,銀,錫,パラジウム,アルミニウム...」
アルミニウムを口に出したとき、とあるアニメを思い出す
「そういえば巨人の行進にアルティミンってキャラがいたよな......よし、アルミンが君の名前だ!」
(性別は無いと思うけど一応どっちにも捉えられる名前の方が良いよね)
スライムに名前を言うと、僅かに体を揺らして近づいてくる
「じゃあ早速で悪いけど、この森のどっちに行ったらいい?」
抱えていたスライムを地面に降ろして道を尋ねると、ゆっくりと動き出した
「そっちに行けば良いんだね」
動き出したスライムの後を追って歩き始める