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はじまりの怪談

作者: 無花果
掲載日:2019/10/29

これは、私が帰宅後、突然、不意に思い付き書き出したものとなります。

ナニカ変なことがあっても、心優しく読んでもらいたいです。

「これはある都市伝説の話なんだけど、ここで少し話そうと思うんだ」

 大学のサークルの飲み会で皆が大いに盛り上がり少し落ち着き始めた頃に、ある先輩がそう言った。


 その時の私は、何故かその話を聞こうと耳を傾けていたように思う。少し朧げだが、確かこの言葉から話が始まったんだ。

「あんまりこういう話は話さない主義なんだけど、まあ無礼講ということで1つ」


「確かはじまりの怪談だったかな?この都市伝説の名前。この話を聞くと夢に出て来るけど大丈夫?と言っても、そこでは〜しなければいけないって制約はないんだけどね」

 話し始めた先輩の目が爛々と光っていたのを私は今でも覚えている。

「でも逆にね、その夢では絶対にしてはいけないことがあるんだ。ちなみに僕もこれは夢で見たんだけどこうやってここにいるから、安心していいよ。まあ、そういうわけではじまりの怪談のはじまり〜はじまり〜」


― ― ― ― ― ― ― ―


 夢の中でふらふらと歩いてると突然高層ビルが見えてくるんだ。そこは何階建てなんだろうね?まあ、見た感じだと高層ビルって事は分かっても、それ以上の印象は抱かなかったかな。


 で、そのビルに入ると広いフロントロビーがあってその奥にエレベーターのある少し小さな空間があるんだ。確か、左右にエレベーターが2つずつで、正面に螺旋階段が1つ。


 ああ、言い忘れてたけど、このビルどうやら普通に使用してるものみたいでね、サラリーマンやOLの人がそこらで歩いたり電話したりしてたよ。


 でね、不思議なことがあってサラリーマン達はエレベーターは使用してるんだけど、正面の螺旋階段は誰も登らないんだ。というより、認識もしてないみたいだった。遠目からでも、螺旋階段は異様な雰囲気を醸し出してたんだけどね。何故、皆気がつかないのか不思議だった。


 ちなみに彼らは僕のことをしっかりと認識してるようだったよ。ただ、螺旋階段に近づくと、誰も、本当に誰もが僕のことに気付かない。


 人伝には聞いてたんだよ。その螺旋階段はまずいって。でもね、僕ってほら怖いもの好きっていうか、怖いものを体験してみたいって感覚があるせいか、物凄く惹かれたんだよ。その螺旋階段に。


 だからさ、まずいと聞いてても好奇心に負けた僕はその螺旋階段を登ることにしたのさ。

 この先に何があるのかが、気になってね。


 でその階段なんだけど、登ったら普通2階に着いて、次は3階に着くじゃない?だけどさ、この螺旋階段を登って2階に着くと、シャッターが降りてて、そこに何を書いてるか分からない文字が小さく書き込まれてるんだよ。

 でもね、2階へ行くための扉は無くて、シャッターも重くて上がらない。何度も試したんだけどね。流石に、これは無理だと諦めた僕は次の階へ登ることにした。


 3階に上がってもシャッターは降りていた。また、なんて書いてるか分からない文字が小さく書かれてた。それを確認した僕は、シャッターが上がるか、扉があるか確認もしたんだけど、うん駄目だった。


 それを階を登って、扉の有無、シャッターが上がるかの確認を何回か繰り返したとき、ふと気が付いた。


 あれ、シャッターに書いてる文字が最初よりも大きくなってる。

 流石にね、なんて書いてるか分からない文字が本当に極少しずつなんだけど、大きくなってることに気付いて、怖くなってきた。


 それにね、その時にまた思い出したかのように気付いたんだけど、最初の登り始めの頃はまだ下の階のサラリーマン達のガヤガヤした声や音が聞こえてたんだよ。でも、階を登るごとに声や物音がしなくなったんだ。


 勿論、下の階の音が聞こえなくるのは当たり前だよ。でもね、シャッターの奥から人の気配が階を登るごとに段々と感じなくなって言ったように思う。確か、2階、3階と声は聞こえていたと思うんだけど。本当に何故、今になってからそのことを認識しだしたのかが分からなかった。


 まるで、文字の大きさの差異をトリガーにして認識できるようになったみたいだった。


 それまで、僕は螺旋階段を上に上に登って行ったけど、流石にこれはまずいと感じたんだよ。最初から、その螺旋階段を登るなよって話はなしね。

 だって、これは僕が体験した都市伝説の話だからね。まあ、皆は真似をしなければいいと思うよ。


 話を戻すと、そう僕はこれ以上、上に登るのは危険だと感じたんだ。だから、下の階、最初のフロントロビーまで降りることを決めたのさ。

 確か、その時の僕がいた階は、感覚では15〜20階のどれかだったように思う。


 で、1つ下の階へ降りたんだよ。僕も焦ってたから、急いで脇目も振らず螺旋階段を降りてるつもりだったんだけど、ちらりとね、1つ下の階のシャッターが目に映ったんだよ。


 そのシャッターには、大きく太い字で「もう 貴様は 戻れない」って汚く書かれてた。

 さっきまで読めなかった意味の分からない文字が、急に読めるようになったんだよ。


 そこに書いてる文字は、日本語でも英語でも、アラビア語でも、地球では決して見たことも聞いたこともないものだった。僕は一時期、地球のあらゆる言語での挨拶を調べたから分かる。


 その文字は地球ではまだ発見されたことのない文字だった。或いは、地球の文字ではなかった。


 そのことに気付いた僕は、心底驚愕したよ。何故かって?未知の文字を見つけたから?いやいや、それともその文字の意味を理解できるようになったから?


 そうではないんだよ。人ってね、急に訳のわからないことが立て続けに起こると、頭がパンクして物事を正しく認識出来なくなるんだよ。


 僕の場合は、ただ呆然としてシャッターを見てた。で、暫く呆けてから起こった出来事に、僕の感情が追いついたのさ。

 本当にあの感覚は、体験しないと分からないだろうな。僕も、言葉では全部を伝える自信がないな。でも…。


 強いて言うなら、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……。


― ― ― ― ― ― ― ― ―


 そこで、その先輩は壊れたように呟いてから、大きく息を吸って近くにあった水を飲み話を続けた。


「ごめんね。僕にとってこの話はまだ終わっていないような悪夢なんだよ。少し取り乱してしまったかな」

 私は、まだこの先輩のことを詳しくは知らないけれど、何故だか親近感を抱いてしまっていた。


「話を続けよう。まだ、オチまで終わっていないから、是非、最期まで聞いて欲しいな」


         ―


 そう、僕は発狂したんだよ。あの時。でもね、声には出さなかった。何となくだけど、あの場所で叫ぶとナニカとても良くないことが起こる気がした。ただでさえ、悪い状況をこれ以上悪くする必要も無ければ、味わいたくもないからね。


 心の中で叫んで、どら位だったんだろう?覚えてないけど、また1つ下の階へ降りた。そこでもシャッターには大きく太く汚い文字で、似たような言葉が書かれていたよ。勿論、同じ文字だ。地球の言語ではないね。


 それから一体、何階分下へ降りたんだろう?僕はもう恐怖で体が震えてたけど、下へ下へと走った。はっきりと覚えてることは、20階以上は降りだってことくらいだ。分かるかい?登った時の階よりも、降りているんだよ。


 結局、それから何回降りたのかは思い出せないけど、疲れて見た時のシャッターには、「次で 最期だ」って、大きく強く太く初めて日本語で書かれてた。でも、何でだろうね。その母国語の日本語が英語のように感じたのは?


 その下の階を降りると、フロントロビーに着いた。来た時と同じように、サラリーマンやOLがいたから、とてもホッとしたことを覚えているよ。


 ただね、本当に最初聞いた時は聞き間違いだと思ったんだけど、彼らが話している言語は日本語でも英語でもなかったんだよ。でも、何故か、僕はその言語の意味を理解出来てしまってた。


 そして、酷いのが僕自身が元の日本語を話せなくなってしまったということなんだよ。まあ、これは夢だから問題ないと思うでしょ?


 その高層ビルを出たら、僕の知る東京の一部に繋がっていたのさ。で、自宅に帰ったら両親が驚いた顔して、僕に抱きついてこんなことを言うんだ。


「龍矢が帰って来た!半年行方不明になってた龍矢が……」


 ちなみに、僕の名前は龍矢じゃない。そもそも、ビルの人達もそうだったけど、両親も初めて聞く言語を話してた。僕もその言語の意味を理解出来るし話せる。

 だけど、だけれどあのビルを出てから、この言語が母国語のような感覚になってきている。それが僕はそこはかとなく怖い。

 きっと名前も日本語のモノからこの言語へ変換されて、龍矢ってなったんだと思う。


    ―    ―    ―


「この話を信じるかどうかは、任せるよ。でも、この飲み会で半数は酔い潰れず、起きて聞いてたみたいだから、近々夜は気をつけるといいよ」

 彼はスッキリした顔で、朗らかに話す。先程の話をしている時の、先輩の表情が嘘だったかのように真逆で、私は困惑する。


「ああ、そうそう。この都市伝説の名称だけどね。はじまりの怪談ってなってるけど、その意味は螺旋階段を通り抜けた先はパラレルワールドに繋がっているらしいんだよ。で、そこでは勿論こんな都市伝説はない訳だから、それを話す人がその世界でのはじまりってことで、はじまりの怪談と呼ばれているみたい。僕も聞いただけだからね。それ以上の意味があっても分からないけど」


 そこまで、語った先輩はまた1つ思い出したのか、少し呟いた。

「このはじまりの怪談だけど、夢で見る内容は人によって細部が変わるみたいだよ。僕が以前聞いた内容と、体験した内容も変わってたしね」


「ただ、この話をする人は必ず階段を登った人だけがしているってことは、共通しているみたい。

あの時、螺旋階段を登らなければ僕はここにはいないと思うよ」


 先輩は最後に、君たちの中で誰がこの話を語ってくれるのか楽しみだと言い笑顔を浮かべ、この都市伝説の話を締め括った。


 ― ― ― ― ― ―


 いつのまにか、寝てしまったみたいだ。

 先輩の都市伝説の話を聞き終えてから、緊張が解けて睡魔にやられた。どんな状況でも、睡魔は私を追い詰めるばかりで、ウンザリしてくる。


 そんなことを考えて、夢の中を歩いてると高層ビルが見えてきた。


 私は呼吸を整えてから、ビルの扉をまたいだ。

読んで頂きありがとうございます。


作品を書く経験があまりない為、未熟だったかもしれませんが、最後まで読んで下さりありがとうございます!


今後も何か書いていきたいと思います。

以上、解散。

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