遊瑧の想い
めっちゃ久しぶりの投稿です!!!
すみませんでした汗
夜になり、遊瑧が玉蘭の部屋を訪ねてきた。
お互い気まずくて、目を合わすことは出来なかったが、玉蘭は部屋に彼を招いた。
「すまなかった…」
私は茶を入れる手を止めた。
……あの口づけのことを言っているのか……念珠のことを言っているのか……。
「……あなたに聞きたい事があるんです」
彼が座る机に茶を置き私も彼の向かえに座った。
「遊瑧さまはわたくしを嫌っているのですよね」
「……。」
「中秋節の時にはっきりと言われました。『お前のような醜女は嫌いだ』と」
「……。」
「わたくしはそれからあなたに近づかないように、あなたの視界に入らないように……そう、生きてきました」
「……。」
「でも、あなたはわたくしを後宮へ召した。わたくしを寵妃だと言いました…」
「…………。」
視線を真っ直ぐに合わせて玉蘭はもどかしそうに眉を寄せた。
「わたくしは遊瑧さまの事が分かりません……」
「……。」
「わたくしのことをどうしたいのか……」
「…………。」
寵妃だと言ったり……口づけをしたり……、私を他の妃たちよりも特別な扱いをするのをやめてほしい。
私がここにいるのはあなたの子を残す道具としてなのだから。
「わたくしはあなたの妻です。あの口づけに何の意味も無いのなら、謝る必要はありません。」
「……。」
「わたくしの役目はあなたの子を残すことです。皇帝の子を残す道具としてわたくしはここにいます。」
「……。」
「だから、あなたが口づけしようと夜伽を命じようと、それがわたくしの役目なのだから、受け入れます」
「……。」
私の中で一つだけあった仮説が外れていて欲しくて捲し立てるように言った言葉を遊瑧さまは無言で聞いていた。
私の中での仮説……それは…………
「……愛してる」
暫くの間の後に遊瑧はそう言った。
目を見開いた玉蘭の口は言葉の紡ぎ方を忘れたように、動いてくれない。
「お前が……どうしようもなく愛しいよ………子供の頃から…」
「……。」
「側にいてほしい……俺が死するその瞬間までずっと……」
遊瑧はその美しい瞳を細め、微笑んだ。
分かっている。彼女が今どんな顔をしているか。
驚きと、悲しみの混じるそんな表情をしているのだろう。
「……わたくしは…お慕いしている方がいます……」
「ああ…。」
「その方に誓ったのです…。わたくしの愛する最後の人にすると…」
「……。」
「だから……わたくしは……。」
俯いた彼女の瞳には涙が溜まっていた。
「別にいいよ……。ただ知っていて欲しかった、俺にはお前は道具じゃない。」
「…………。」
「今さらただの道具なんて思えない…、そう思うにはお前を好きになって時間が経ちすぎた」
「……遊瑧さま…」
遊瑧は立ち上がると玉蘭の方に行き、彼女をきつく抱き締めた。
「愛してる……」
「遊瑧さま……わたくしは…………」
「誰よりも愛してる……何とも引き替えになんか出来ない…」
玉蘭の涙が遊瑧の着物を濡らした。
胸がこんなに苦しいのは、きっと誰かを狂おしいほど愛する気持ちを知っているから。
私を抱き締める遊瑧さまの腕の力からどれだけの想いを持っていてくれたのか伝わる…。
「ごめん…なさい……」
「…………。」
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
玉蘭もそっと遊瑧の背中に手を回した。
ただ謝ることしか出来なかった。
分かっていたから……。
どんなに私のことを想ってくれても、それを返すことは決してないと。
「玉蘭…………」
静かな部屋に遊瑧のその小さな声が鮮明に響いた。
純情がどんどんどろどろしていきます~。




