1話「危険な臭い」
そこには鮮やかなピンク色で塗られた巨大な城がそびえ立っていた。
美しさにみとれていたが、と同時に不気味に感じた。
「嘘だろ!?」
あまりの出来事に唖然としていた。
「ようこそ!!我等がヘブンズタウンへ!!僕はこの島の案内人オクタヌス」
眼鏡をかけた年は同じぐらいの奇抜な男だった。
「ここはどこだ?まだ頭の中を整理できていないんだ。」
「だからヘブンズタウン。まあ困惑するのも当然だろう。なにせ君は異世界の人間なのだから。」
異世界?どっちがだよ!とツッコミかけ、思いとどまった。
そうかこの島の住人からしてみれば俺が異世界の人間なのか
「この島にはこの時期に年に一回抽選を行うんだ。そこで毎年異世界から一人連れて行かれる。つまり今年は君がビンゴしたってわけ。」
「なるほど、そういうことだったのか...ってなるかぁ!抽選ってなんだよ!なんで異世界に連れてかれるんだよ 俺は帰るぞ」
「まあまあ住めば都だ。それにかわいい顔をしているね。」
「ひいっ!何をいきなり!あんた男でしょ!」
「......?」
一瞬時が止まったかのように沈黙が続いた。
「当たり前だろ?」
その時何かに気づいた。
それは触れてはいけないような関わりたくないような、また危険な臭いを漂わせていた。そして周辺に目をやった。
嫌な予感が的中したみたいだ。
どうやらここは同性愛者が住まう世界らしい。
「嘘だろおおおおおお!!!!!!」