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三話

最後らへんに男同士のマウストゥーマウスがあります。若干ぼかしていますがご注意ください。


2014/2/9修正しました

「おお、すげぇ!…って、此処何処だ?」


目の前には馬鹿でかい神殿があった。辺りはそよ風が吹いていた。

暖かい日差しと快晴の空の所為か、少し眩しく感じる気がする。

しかし、此処はどう見ても神殿以外何もない。壮大な広場とか?いやでも、それだとしても壁か何か見えるはずだよな?

あれ?もしかして失敗したのか?いやそんな馬鹿「ああ、こんな所にいたんだ。」

……、……?…!?


「なぁ!?」


俺は勢いよく振り返る。そこには美形がいた。

美形はにこにこと俺を見ていた。いや、にこにこと言うよりもうっとりというかなんというか…。


「やっと会えたね、シオン。」


「なんで俺の名前を知ってるんだ?」


「ま、それは置いといて。」


置いとくなよ。睨みつけたがどこ吹く風といった感じで手を引かれる。

まあ、ついて行かないと話が進みそうになかったため大人しくついて行く。

神殿の中には沢山の人?…いや天使や神がいた。何故か羽ありと思わなかった。本能で理解できた。

そして全員からじっと見られて居心地が悪い。


「ねぇねぇ!あの人ってシオンだよね!?」


「そうだよ!ボクたちが間違えるはずないもん!」


「私も近くに行きたいな…。」


こそこそと話し声が聞こえるが、スペックが高い所為かはっきり聞こえる。

それと辺りを見て気が付いたけど、女の人が少ない。多分力関係とかで少ないのか?と予測してみる。

……天使とかって、見目麗しいのが多いんだな。初めて知った。

美人男前イケメン美形ショタ美少年儚げ美人和風美人ロリ美少女etc.

平凡が一人もいないって…前の俺が此処にいたら崩れ落ちていただろう光景だ。


「こっちだよ。」


「え?ああ。」


俺はきょろきょろしていた所為か少し美形と離れていたようだった。

美形は手をひらひらさせて俺を呼んだ。

俺は早足で向かう。いや、なんで俺が此処にいるのか聞かないといけないしな。

向かったところは応接室のようなところ…いや、実際に応接室なんだろう。


「そこにかけてくれる?」


俺はドカリと荒々しく座る。早く異世界に行きたいのに!

そんな心情を察したのか苦笑いする美形。だったら早くしてくれよ…。


「ごめんね、どうしても言わないことがあるからさ。」


「…なんだ?言いたい事って。」


ブスッとしている俺に少しも嫌そうな顔をいつまでもしないから俺は少し姿勢を正していた。

誠意をもって接してくれてる人には誠意を…ってね。

逆を言うともし俺みたいな態度をもって接して来るやつらは悪評流して評判悪くしてやる。

……思考がずれた。話を戻す。


「うん、そのことなんだけどさ。君は俺たちにとって特別な人だって気づいてくれてる?」


「?いや、特別ってなんだ?」


それに美形は「あー」やら「んー」やら視線をうろうろさせ始めて頬を少し染めた。

な、なんなんだ、その反応。……見目が良い人は何しても許されるんですね分かります。

つまりは、似合ってますという事だ。


「ほら、シオンの称号とかスキルとかあるじゃん?それも実は継承されてて、シオンは俺たちを元々従わせてたってことになったんだ。」


ほうほう。つまり、俺の称号【神々を従えし超越者】とかがそのまま継承されたのか。

そして龍王、精霊、精霊王、天使、神たちの記憶が元々俺に従ってたといった風になったのか。

……ん?じゃあなんでこの美形はそれを知ってるんだ?

そんな俺に気が付いたのか美形は苦笑いして教えてくれた。


「いや、一応俺は最高神だからね。ギリギリ持ちこたえられたんだ。」


「ギリギリって事はあと少しだったのか…。…そういえば名前はなんだ?」


「え?なんでいきなり名前の話になるの?」


それに俺は「いや、地球ではいろいろ最高神と言われてる神の名前があるからな。」と言う。

美形基最高神は悩んだ様子をした。流石に話が飛び過ぎたからついてけないのか?


「んー、残念ながら俺の名前はないんだよね。名前がないと不便だからかその時に適当な名前を付けてもらってたけど…。」


「そうか。確かに名前がないと不便だからな。」


しかし困った。いつまでも最高神とか呼びたくないし、ぶっちゃけ面倒臭い。

俺は最高神を見たらずっとこちらを見てたのか目があった。


「そうだ、サイとかどうだ?」


「え?なにが?」


いきなりすぎたのか全く話についていけてないサイ。名前の由来は最高神だから。…ネーミングセンスがない訳じゃないからな?


「いや、お前の名前だ。名前がないと不便だろ?」


その言葉の意味が理解できたのか驚いたような顔をした後に凄く嬉しそうな顔をしたサイ。

そして「はい!俺の名前はサイです!」と満面の笑みでそう言った。

……まったく関係のない事だが、何故かI am a pen.を思い出したぞ。何故だ。

遠い目をしていたが今期でサイとの話を再開させる。


「で?サイはその事を言うために俺の移転を邪魔して此処に連れてきたのか?」


少し言い方がきつくなって後悔するがもう口に出たのなら仕方ない。

サイも少し俺が申し訳なさそうな顔をした理由が分かったのかまた苦笑いをした。…俺の所為とはいえ苦笑いしすぎだろ。


「うん、でも言っておかないと色々苦労するかもしれないし。」


「本音は?」


「シオンと喋って俺の存在を認めてほしかったから。」


その言葉に脱力する。おいおい、今の俺の性別は男だ。別に偏見とかはないがまさかそんな目で見られてるのか?

疑わしげな眼で見てると少し慌てたような顔をしたサイ。


「え?え?なんでそんな目で見るんだ?」


「いや、サイは男同士が好きなのかな…と。」


「!?ち、違う!男同士だ方好きなわけじゃなくて、相手がシオンだから好きなんだよ!!

そ、それに俺だけじゃないし!龍王たちも精霊たちも精霊王たちも天使たちも他の神々だったってシオンが好きだし!!

…って、ち、違う!!好きとかは確かに好きだけど…!!行き過ぎた崇拝が好きになったって言うか…!!って何言ってんだよ俺!!」


随分と混乱させてしまったようだ。ついでに落ち着くまで考えるか。

サイの言葉を聞くには、サイ以外もこんな感じらしい。崇拝って言ってたし。

にしても少し規模が凄すぎないか?龍王たちと精霊たちはまだしも、精霊王たちに天使たち、すべての神々って…チートしすぎじゃね?

スキルの他にも称号も継承されてるおかげか、もう何こいつ人間やめてるだろとか言われそう。

若干うなだれていると落ち着いてきたサイが「大丈夫?」と聞いてきて頷いておく

なんとか俺も立ち直って少しサイを茶化す。


「…まさかここでそんな可愛いサイを見れるとは思わなかったな。」


その言葉にボンッ!と音が聞こえそうなほど顔どころか首まで真っ赤にするサイ。

そしてなにかモゴモゴ言っていたがよく聞こえなかった。


「し、シオン。俺で遊ぶなよ…。それにシオンだったら俺以外でもいい人が……。」


自分で言った言葉に落ち込むサイ。見てて飽きないな。

俺は少し身を乗り出して頭を撫でると固まるサイ。


「でも今の俺で頼れるやつはサイだけだと思ってる。だからこれからもよろしくな。」


「ッ……はい!」


そ、そんな潤んだ目で見ないでくれよ。そういう目に弱いんだよ。

怯んだ俺に気付かずににへらっと笑ったサイ。か、かわ…!!あ、危ねぇ。

あと少しで開いちゃいけない扉が…。ん?元々は女だったから別にいいのか?いやでも今は男だし。……よし、俺、両刀になろう。嫌悪感は元々ないし。

龍王精霊精霊王天使神はコンプリート済みか。…こんな強い味方(信者)がいるなら別に俺異世界でも困らないんじゃね?

まあ、とりあえずサイは絶対に俺のハーレム要員でよろしく。そうと決まれば…。


「サイは本当に可愛いな。」


嘘は言っていない。言動共に可愛いし、すぐに赤くなるところなんかとても可愛らしい。

しかしサイはまたも顔を赤く染め、その赤くなった頬を抑えクネクネしだす。


「シオン、そんなこと言うなんて…勘違いしちゃうじゃないか。」


「勘違いしろよ、サイ。」


そう言ったサイに対して俺はサイの座っている長椅子に座り、ホストさながら耳元で囁いた。

するとサイは顔を真っ赤にして潤んだ目で見てきた。

そしてお互いの顔が徐々に近づいてきて…その後の事は言うまい。言いたい事は、意外と柔らかかったです。

その後、サイがすぐに体ごと離して「夢じゃないよな…?」と言って頷いたら泣き出して慌てました。まる。


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