異世界に転移したと思ったら、警察が来た件
俺はただのサラリーマン、ケンジだ。ブラック企業に勤め、毎日疲労が溜まる一方だった。
ある朝、会社へ向かう途中、俺の体は突然光に包まれた。
「え、なんだ⁈」
気づくと、見知らぬ部屋に立っていた。どうやら異世界に飛ばされたらしい。
「…やばい、これが異世界か!」
胸を膨らませた瞬間、部屋の主が通信機器のようなものを取り出して叫んだ。
「警察を! 見知らぬ男が侵入しています!」
数分後、警察官らしき人々が現れ、俺は捕まった。
ーー状況が理解できないまま、警察署へ。
「お前はこれから裁判にかけられる。不法侵入の容疑だ」
「え? 異世界に来たのに即逮捕? ローンまだ残ってるのに…」
俺の言葉は無視され、取り調べが始まった。内容は、現実世界の刑事事件とほとんど変わらない。
別世界から来たことは信じてもらえず、精神鑑定が必要と判断された。
ーー逮捕から半年後、裁判の日。
裁判官が読み上げる。
「被告人、ケンジ。防犯カメラ映像により、他人の住宅に無断で侵入したことが確認されました。また、精神鑑定により、極度の疲労で現実認識が混乱していたことも認められます」
「は? 俺、異世界にいるんじゃ…」
そこでようやく俺は悟った。ここは異世界なんかじゃない、ただの日本だ。
疲労で幻覚を見ていた俺は、知らぬ間に他人の家に入っていたのだ。
裁判官は冷静に続ける。
「被告人は疲労で判断力が低下していたとはいえ、犯罪行為は事実です。しかし精神鑑定と被告人の反省を考慮し、罰金10万円とします」
「え、罰金? あ、払える…!」
刑務所行きは免れ、俺は現実に戻った。
異世界は幻でも、俺の心にはちょっとした冒険気分が残っている。
「よし…次からはちゃんと休もう。ブラック企業に負けずに生きるぞ!」
そして俺は、少し疲労に勝ったサラリーマンとして、現実世界の戦いに戻るのだった。
読んでくださりありがとうございます!
今回の話は、私がちょっと疲れたサラリーマンになったつもりで書いた、「異世界転生? いや、疲労で幻覚だった」 物語です。
ブラック企業で働く日常も、異世界冒険も、全部ちょっとだけ現実が混ざってます。ケンジのように、皆さんも疲れすぎると幻覚を見ちゃうかもしれません…気をつけてください(笑)。
短編なのでサクッと読めると思います。もし楽しんでいただけたら、感想などいただけると嬉しいです!




