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この夢がきみに喰われても  作者: 葉方萌生
第六話 笑顔の灯火がともるから

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6-7

 美結ちゃんが山場を超えたという知らせを受けたのは、その日の夜十時頃だ。

 結叶と病院で話をしてから、彼と、やって来た彼の伯父さんに別れを告げて自宅へと戻った。本当は結叶のそばにいたかったけれど、夜八時以降、美結ちゃんのご家族以外は病院から出なければいけなかった。


「よかった……助かったんだ」


 結叶から連絡が来て、ほっと胸を撫で下ろす。山場を超えただけで、まだまだ予断は許されない状態だということも一緒に伝えられた。が、正直彼の大切な妹の命が助かっただけでも本当に嬉しかった。


『次は恵夢の番だ。伯父さんに、恵夢の病気のことを話して同意してもらうから、恵夢も家族にちゃんと伝えて欲しい』


 結叶にそう言われて、私はようやく決心がついた。

 

「お父さん、お母さん、お兄ちゃん。話があるの」


 翌日の夜、夕飯の席でみんなの前で切り出した。こうして家族に面と向かって自分の気持ちを話すのは初めてのことで、緊張で背中に汗が滲む。


「どうしたの恵夢。急に改まって」


「お母さん、私、夢欠症を治すために、夢をたべたいんだ」


「え、夢を?」


 母は分かりやすく瞠目する。父も兄も、突然の宣言に戸惑っている様子だ。


「夢って、あれだよな。他人の将来の夢をいただくっていう例の治療法」


 父が久しぶりに治療法について語る。私自身、医者に説明を受けてから本気で治療法について考えたのはここ一週間のことなので、みんながピンと来ないのも当たり前だ。


「そう。実は、クラスメイトの男の子で、私に夢をくれるっていう人がいて」


「そうなの? その子、本気? 夢欠症の人に夢をあげるのがどういうことか、知ってるのかしら」


「ちゃんと全部話したよ。話した上で、自分から私に夢を差し出したいって言ってくれたんだ」


 私の言葉に、家族全員が驚いた顔をした。それもそうだろう。私は今まで、親友だった里香に対してさえ、病気の話をしていない。それなのに、突如“クラスメイトの男の子に話した”なんて、どう考えても不自然だ。


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