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この夢がきみに喰われても  作者: 葉方萌生
第五話 この夢を思い描く理由

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5-6

 しばらく安静にしてから、気分転換にと病室の外に出た。

 飲み物でも買おうと一階のロビーに降り立つと、見知った人影を見つけてドクンと心臓が跳ねる。


「結叶……?」


 予想外の人物の登場に声を震わされる。

 彼は自動販売機の前で佇んで、今まさに飲み物を買っているところだった。ガコン、とペットボトルが落ちた音がして、結叶は受け取り口に手を伸ばした。


「恵夢」

 

 振り返って私の存在を認めた彼が目を見開く。

 私を病院で見つけたことへの驚きではなく、病院で鉢合わせてしまったことへの衝撃だろう。


「こんなところで会うなんて偶然だね」


 里香から、結叶を病院で見かけたと聞いていたので、私の方はそれほど動揺せずに済んだ。でも、どうして彼が平日に学校を休んで病院にいるのか、気になって仕方がない。


——結叶くんって病気なの?


 里香の質問がフラッシュバックする。

 まさか……いや、そんなはずない。

 もし彼が何かの病に冒されているのだとしたら、この間私が夢欠症について打ち明けた時に、彼も同じように打ち明けてくれたのではないか。もちろん、絶対話してもらえるなんて思わないけれど、結叶ならフェアな方を選ぶだろう。だったら、どうして彼は今ここに……?


「……恵夢、ちょっと今時間ある?」


 彼は私をまじまじと見つめた後、静かな口調でそう聞いた。反射的に頷く。これから検査の予定もないし、しばらくはゆっくり過ごすように言われている。


 私が首を振ったのを見て、彼はロビーに据え置かれている椅子に腰掛けた。私も結叶の隣に座る。


「恵夢、この病院だったんだな。制服ってことは……学校行ってきたのか?」


 私が病院にいる経緯を知らない彼は純粋なまなざしで尋ねた。


「うん。ちょっと、途中で気分が悪くなって……それで」


 里香と喧嘩して学校から飛び出した後に倒れた、というところまでは話さなかった。余計な心配はかけたくないし、なんだか格好悪い話だし。結叶は「そうか」と心配そうに相槌を打つ。


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