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勇者

「よし!これで99レベ!」

 俺がちょうど99Lvに達した時、街が見えた。

「うぉーーーこれが街か。でっけーーーー」

 俺がいるこの王国、アルサミロ王国で随一の大都市、ヴァーメン。なんか王国もたくさんあって、ややこしい。複数の国の真ん中に位置するのが、魔王の領地だ。

 ちなみに、この世界での俺の名前は、ディス。勇者っぽい服装を着ているのに、なぜか顔に能面をつけている。解せぬ。

 ワクワクした気持ちで、俺が街に踏み入れようとすると、

「おい!誰だお前!身分証明書を出せ!」

 どうやら不審者扱いだそうだ。面倒くせっと思いながら、身分証明書(なんか浮かび上がるけど)を出した。すると、

「ゆ・・・・・・勇者だと⁉︎お・・・・・・国王様に報告を!おい、お前こっちに来い!」

・・・・・・は?勇者って言っただけでこんなことになるんやな。

 なぜかわからないけど、そこで俺の意識は暗転した。

「ん・・・・・・」

 次に起きた時は、手足が光の紐で縛られ、椅子に拘束されていた。なんで?

「よくぞ起きた。勇者よ」

 パッと見た感じ、ザ・国王って言う人が目の前にいる。威厳からしてね。

「お前は、我が国の救世主だ」

 そこから国王が話してくれたのは、この世界での出来事だった。

 このアルサミロ王国は、10ある国のうち、一番南に位置している。魔王は、北の国々から侵攻し始め、もうついに、あと国が二つしか残っていないそうだ。

・・・・・・勇者が重宝されるわけだ。

「貴様がどこからきたか知らぬが、この国の役に立ってくれ。頼む」

 国王が頭を下げた。周りがざわついていることから、国王は普段から人に頭を下げてお願いすることがないことがわかる。もちろん選択肢は一つしかない。

「・・・・・・もちろんやりますよ。やらせていただきます」

 その場の皆が喜んだ。それがわかると、国王は、手で何か合図を出した。

「そのような小さなナイフでは戦えぬだろう。お前に剣を授ける」

 俺は与えられたナイフで戦ってきた。普通にすごいと思うのだが、剣がもらえるのは嬉しい。俺はありがたくいただいた。

「魔王の直下には、8体の幹部がいる。まずはそれから倒してもらおう」

 まず最初の幹部は、フラッタム、炎の幹部だ。

 俺は、もらった剣を差して、城から出た。

・・・・・・と思ったら、

「待て、貴様。その顔についている能面を取れぬか」

「・・・・・・」

「答えられぬか」

「いや・・・取れない呪いにかかっているだけです」

「そうか、それは気の毒だな」

 後でわかったことだが、この能面は耐久力∞で取り外し可能なことがわかった。

・・・・・・まぁ、気をつけるか。

 人前でこの能面をとらなければいい話だ。今すぐにでも取りたいが。

 俺は眠らされてこの城に来たから、街のことは知らないのだが、こうしてみると、とても広かった。

・・・・・・広っ!街じゃなくて国だろ!

 あながちそれも間違ってはいない。だって、この国で人が住んでいるのはこの街だけなのだから。

・・・・・・おっと、忘れるところだった。

 さっき渡された、「勇者の証」をつけなければいけなかったのだ。これをつけないと、不審者扱いで即、The・Endだ。能面被っているから。

「何っ!勇者様だと⁉︎」

「まさか本当に現れたのか?」

 「勇者の証」をつけたことにより、人々の認識は変わった。俺は晴れて国王専属の勇者になったのだ。

「勇者様、頑張ってくださいね」

 そんな声をたくさんもらった。これで滅茶苦茶頑張れる気がしてきた。

・・・・・・よし!初任務頑張りますか!

 魔獣を倒しまくって、なれてきたけれど、幹部がまだわからない。

 俺は歴史にまた1ページ付け足すことを知らずに、街の外の森へ向かった。

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