色々と情報量多め
前回のあらすじ。ディスとチートバグの使い手が遭遇した。
「ふふふ。久しぶりに楽しめそうね」
「・・・・・・誰だよお前」
「ルクシウス・タウク・ヴァラナ。四天王の一人よ」
・・・・・・四天王!?このタイミングで!?
四天王については国王から聞いていた。四天王とは、自由奔放な幹部たちとは違い、魔王城にいる魔王直属の魔王の魔王による魔王のための奴らで、普通は一つしか無い固有能力を2つ保持しているらしい。魔王軍で2番目に強かったダールドの10倍ほどの力を持っていて、魔王に匹敵しそうな強さだと。
・・・・・・そういえば、ダールドって魔王より遥かに弱っ・・・・・・というより魔王がめちゃくちゃ強いらしいな。
国王が言っていた。俺達が以前調査しに行った時の魔王は、本来の魔王の強さよりもとても強い力を感じる、と。
・・・・・・話逸れたけど、ヴァンピエオって四天王だったらしいね。
それよりも大事なことがある。
「お前・・・・・・今どこにいるんだよ」
「え?」
今は声がはっきり聞こえるので、かなり近くにいると思う。しかし、全くもってどこにいるかわからないので聞いてみた。
「貴方の後ろ」
「え?」
「くっ!」
俺が目覚めた頃には滅茶苦茶体中が痛かった。痛ぇ。
・・・・・・後ろにいたんだったな。そこから常人じゃ耐えられないほどの攻撃を浴びせられた。なんで俺は生きてるんだ?
・・・・・・ん?待てよ。能面の耐久値が∞から10⁶⁸になっている。これもチートバグの影響か?
個人的に、能面が外れたら都合が悪いので気をつけようと思う。
「え・・・・・・?本当に何で生きているの?結構本気で殴ったんだけど・・・・・・」
・・・・・・そりゃあ痛かったもんな。
「怖・・・・・・」
・・・・・・能面のお陰でチートバグに引かれてる・・・・・・。
ありがとう、能面よ。初めて感謝したぜ。
「じゃあ、平行世界においてこよう」
「え?」
「シュン」
「どこだここ?」
急に平行世界に飛ばされた。辺りを見渡す限り、中世ヨーロッパの町並みが見える。真ん中に記憶より少し大きめのエッフェル塔が見える。
「じゃあね。バイバイ」
「あ、ちょっと」
・・・・・・気配が消えた。
正確には、全く気配がしなかったので、わずかに残っていた気配が消えたということだろうか。
・・・・・・やばい。どうしよう。
「貴様、中々しぶといな」
「まぁ、これでも一人のトッププレイヤーだからな」
血まみれになりながらも、俺は立っていた。絶対に負けまいと。しかし、俺の心を砕くような言葉がダールドから発せられた。
「・・・・・・勇者ディス、どうやら平行世界に飛ばされたみたいだな」
「なんだと!?」
・・・・・・平行世界!?
この世界だから、という理由もあるが、何にしろチートバグだからあり得る。
・・・・・・裕志、本当にすまない。俺がダールドを早めに倒していたらこんなことには・・・・・・。
「『ゴーストアクト』!」
直撃した。ゴンという鈍い音が鳴る。しかし、ダールドには全く効かないようだ。そこで俺の体力が切れたのか、俺は地面に両膝を着いてしまった。
「もう諦めるんだな」
「くそっ・・・・・・」
・・・・・・これで終わりか。
「ショフレ流、吉見爆鮒!」
「攻撃魔術、槍嵐」
後ろからそんな声が聞こえた。その攻撃により、ダールドは少し後退する。
「間に合った・・・・・・。大丈夫ですか、ユタさん?」
「これでもダールドは倒れないの?硬すぎでしょ」
なんということでしょう。ショフレとブンフウが助けに来てくれたではありませんか。
「絶対に勝ちますよ・・・・・・。というかユタさんは休んどいてください」
「僕達が絶対に食い止めます」
「お前ら・・・・・・分かった。お前たちに託す」
ユタはダールドと戦い始めて初めて希望を持った。
「・・・・・・」
俺は、街の中を歩いていた。なんて広い道だろう。人が全くいないぜ。
・・・・・・絶対俺が能面つけてるからだな。うん。皆引いて端っこの道しか歩いてないもん。
俺はシクシクとひとり悲しくなってトボトボ歩いた。
・・・・・・もういっそ能面とか外そうかな?この世界ならいいでしょ。
と思った矢先、前方が騒がしくなった。
「こっちです、勇者シリル様。この先に不審者が・・・・・・」
「おそらく『ニンジャ』だと思われます。迅速な対応を!」
「・・・・・・あぁ、分かった」
・・・・・・なんか滅茶苦茶強そうなやつが来ちゃったんだけど!?元の世界に戻れる以前にこの世界で生きていられるかな?
「『ゴッド・レイ』!」
「うひっ!」
急に黄金の光線が飛んできた。あの勇者シリルとかいうやつが放ったやつだ。
・・・・・・当たったら即死だな。攻撃し返していいよね?正当防衛だし。
「能面式殺戮殺法・・・・・・春!」
能を繰り出そうかと思ったけれど流石に国が滅ぶ威力を出したらいけないので、全く出番がない春を選択した。めっちゃ痛い桜の花びらが出ます。誰だよこんなの考えたの。
「くっ!痛い」
「勇者シリル様!その花はジシエペルヒーで見られる花です。やはりあいつは『ニンジャ』です」
「絶対忍者の技じゃなくない?」
・・・・・・何を見せられているんだ俺は・・・・・・。
「くっ・・・・・・」
「どうした?そんなものか?」
・・・・・・やっぱり、ダールドは強い。
万全な状態のショフレとブンフウですら勝てないのだ。相当強い。
・・・・・・俺なんか、幹部一人にも勝てない。
サークルの時もそうだ。俺は全く刃が立たなかった。
・・・・・・その後、裕志が倒してくれたのか。
しかし、その裕志ももうこの世界にはいない。平行世界に行ってしまったのだ。
・・・・・・裕志・・・・・・。帰ってきてくれよ。
「能面式殺戮殺法・・・・・・鏖」
次の瞬間、目の前のダールドが一瞬にして崩れ落ちた。物理的にマジで。
「この声は!」
「待たせてしまってすまない。少し戻ってくるのが遅れたんだ」
「本当によかったよ・・・・・・y・・・・・・ディス」
感動のあまり、本当の名前を言いそうになってしまったが、大丈夫だ。
・・・・・・・本当に良かった。なんかダールドも死んだみたいだし。
「じゃあ、帰ろう」
「いや、まだだ。ダールドは死んでいない」
「え?」
俺が疑問に思うと同時にダールドの死体が元に戻った。物理的にマジで。
「なぜここにいるのだ!勇者ディス!」
「まぁ、魔王倒すまで終われないのでね。・・・・・・ここからは本気で行くぞ。ダールド!」




