覚
「ん・・・・・・」
「あ、起きた。おーい」
「はーい」
俺は目が覚めた。そして、ユタがリリィを呼んだようだ。
「よかったぁ。ディスが起きて」
「すまんな。迷惑かけて」
「ほんとだよ全く・・・・・・」
意外とユタが反応したので、驚いた。
・・・・・・パーティーが三人になって賑やかになったな。
できればもうパーティーは増やしたくないのだが。
「色々報告があるからな。聞く覚悟はできているか?」
そう言ったユタの視線が鋭くて、肌に緊張が走る。肌が突かれたように痛い。
「・・・・・・明るいのと、暗いのどっちから聞きたい?」
「・・・・・・暗いので」
「分かった。・・・・・・お前が倒れた後、俺が『ゴーストムーブ』っていう、空間を移動できる技を使った後の話なんだが、・・・・・・失敗して、なんも変わらんかった」
・・・・・・ふぅん。あっそう。
「ここからが本題。お前が倒したはずのサークルが、眼だけ残っていて、それだけ見えていた」
一切姿を見ることのできなかったリリィでさえも見られたそうだ。
・・・・・・眼なんてあったっけ?
「ちなみに、眼はサークルを倒したら出てくるコアみたいなものらしい。・・・・・・そして、それが喋ったのだ」
「・・・・・・何を?」
「『どのみちお前らは死ぬ。魔王様は、俺のような人間に限りなく近くて化物みたいな生物を作り出して、いつか人間どもを根絶やしにするおつもりだ。』と」
俺はゴクリと唾を飲んだ。
・・・・・・作り出す?『クリエイト』すら持っていないのに?
「・・・・・・どうやって?」
「それが、それを言おうとした瞬間、サークルが爆散した」
・・・・・・口止め、か。
ドラマやアニメでもよくあることだ。仕方がない。
「サークルは、その実験台の第一号だったようだ。・・・・・・これから、もっと進化した生物が出てくるかもしれない」
「・・・・・・なるほど。警戒しよう」
「場の雰囲気重いなぁ。明るい方に話変えていいか?」
「もちろん。暗い話はごめんだ」
今聞いた話を頭の隅に追いやって、明るい話に目を輝かせる。
「勇者ディスが、幹部五体を討伐したことによって、パーティーに入りたいやつが急増したそうだ。お前は一週間寝てたから知らないけど、俺とリリィがもう選別してある。この後、対面してもらう」
・・・・・・ぎゃぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ほら。言ったそばからこうなる。どうしてだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお沢村ああああああああああああああああああああああああああああ
「そして、マジでおめでたい話。国王の娘、リリィと勇者ディスが魔王討伐後に結婚することになった」
・・・・・・おめでたすぎだろっ!
朗報。異世界転生者、しかも能面を被った変態、王女と結婚する。
「今のお気持ちをどうぞ!リリィさん!」
・・・・・・俺じゃないんかい!
「えと・・・・・・私はとても嬉しいです。魔王を討伐した後もディスの側にいれて」
・・・・・・あっ。
顔を赤くしたリリィがとても可愛い。なんとなくいつもよりも鼓動が早い気がする。
・・・・・・気のせい、だよな?
「いやー。おめでたいねぇ。良かったじゃん、ディス。俺はお前が結婚できるなんて思ってなかったよ。・・・・・・色んな意味で」
・・・・・・その、「色んな」を知りたいけど、なんか知りたくないわ。
「で、ディスさんはどうですか」
「・・・・・・リリィと同じで」
リリィは、めっちゃ可愛い。国内でトップなので、求婚も多いようだ。
・・・・・・いい、のか?
「はいはい。ボーッとすんな。新メンバー呼んでもいいか?」
ユタが手を叩きながら、そう言った。
「もちろんだ!」
新メンバーなんて、いーらない!なんて本音はあえてしまっておく。
「じゃあ、新メンバーの皆さん!どうぞ!」
その声とともに、ドアが勢いよく開いた。




