中央の調査
中央の境界門の入口は、ヴァーメンとは反対の都市、ヴィーバスにある。つまり、もう一回行くのだ。
・・・・・・面倒くさいな。
何はともあれ、俺たちは国から期待されているのだ。その期待を裏切らないようにしたい。
・・・・・・もう少しで、門の入り口か。
大きな門が見えた。この門は、自由に開閉できるのだが、実は王国側が作ったのではなく、魔王側が作ったものだそうだ。
・・・・・・意外に魔王も警戒深いのか。
それから少しして、門の前にたどり着いた。
「なんか書いてある。どれどれ、『門の扉は壊さないでください』?」
どうやら、俺の前の勇者たちは全員門を壊して行ったそうだ。
・・・・・・なんでやねん。
「ちゃんと入ろうね。ディス」
「・・・・・・うん」
ギギィ・・・・・・。門の扉が開く。境界門は、ドーム状になっていて、外から中が見えないようになっているので、中を見るのは初めてだ。
・・・・・・全部黒いな。
王国が全て白いのに対して、魔王の領地は、全て黒い。これも何かの対比だろうか。
「警戒しろ。何体か魔王の手下がいるみたいだ」
そこらじゅうに、たくさんの魔力反応がある。
・・・・・・この数、魔王城まで辿り着けるか?
個々はあまり強くない。ただ、数が多い。
「ディス!前から何か・・・・・・」
ドン!ととても大きな音がした。
「よくきたな。惨めな人間ども」
「お前はっ!」
そうだ。こいつがまさしく魔王だ。頭に角が生えていて、何やら仮面(能面ではない)を被っており、マントを身につけ、心臓らへんにコアのようなものがある。見るからにして魔王である。あ、これ異世界転生あるあるね。
「リリィ!まずは俺が・・・・・・」
「死ね」
「ドォォォォォォォォぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッォおおおおおおお」
「ぐはあっ!」
やばいやばいやばい。滅茶苦茶飛ばされた。
「リリィ!」
「自分より仲間の心配か?」
「ぐっ!」
もうすぐそこに魔王がいた。
「能面式殺戮殺法・・・・・・闇闇無天!」
「もう同じ手は効かん」
魔王はそういうと、いとも簡単に攻撃を跳ね返した。その跳ね返ってきた攻撃が俺に当たる。
「うっ」
「似たようなものを何度も見た。・・・・・・まさか今回は幹部を二体倒すとは思いもしなかったぞ。まぁ、私の前では無意味なのだが。・・・・・・そろそろ死ね。魔鐵、ダームシュル」
魔王はそういうと、紫色の神々しい刀を出現させた。
「なっ・・・・・・」
「魔・眞・神・心、魔の斬撃」
「ぐあっ!」
とてつもなく強い斬撃を喰らった。そこで俺の意識は途絶えた。
「あぁ・・・・・・・・・」
目の前でディスがボコボコにされている。それを見るのは、とても酷だ。
・・・・・・また私は役に立てなかった。
私は、魔王が来たときの衝撃波だけで吹き飛んでしまったのだ。
・・・・・・あぁ。
ディスがこっちに飛んできた。どうやら、全く意識がないようだ。
「ディ・・・・・・・・・ス・・・・・・・・・」
「どうやら意識がないようだな。・・・・・・想像以上に想像以下だ。出直してこい。次お前たちと会うのは、全ての幹部が死んだときだ」
「魔王!」
「ふんっ!」
魔王はそう言うと、私達を門の外に出した。
「せいぜい生きておけよ。まぁ、今のお前らじゃ幹部を全員倒せそうにないがなwwwwwwww」
「くっ!」
「バタンッ」
門が閉まった。
「ディス様!リリィ様!」
・・・・・・側仕えがそこまで来てる。
心配して迎えに来てくれたそうだ。こんなボロボロだけど。
「どうしたんですか!リリィ様!」
「想像以上に魔王が強くって。負けちゃいました。・・・・・・疲れたから目を閉じていいかしら」
「もちろんです。ゆっくりお休みください」
「えぇ。ありがとう。おやすみ・・・・・・」
今回の出来事で、私は今後どうすればいいかが定まった気がした。




