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妻の帰還

身長の変化による感覚のズレはだいぶなくなったので、今はチャンバラに使うスポンジ剣片手に蜂三郎と対峙している。


こんな光景をモンスター愛護団体に見られたら『モンスター虐待』だの何だの騒がれそうだがそもそも軍隊蜜蜂の外殻は鉄と同等、テイムされている蜂に関しては育成が出来るため更に外殻の強度は上がる。

今の強度ならアダマンタイトの大剣で斬りつけてもかすり傷すら負わないだろう。


とりあえず今までの感覚で一歩踏み込んで軽く剣を振るったが蜂三郎には当たらず空を斬る。

そのあと隙を狙って脇腹に抱き着いてきた。


スポンジ剣は普段使いの剣と同じ長さにしているが身長と共に腕も短くなって目測も少しズレている。

脇腹に抱き着いて甘噛みしている蜂三郎を撫でながら考える。

とりあえず目測のズレはそのうちなんとかなるはずだ、問題は防具。


元が身長180ちょっとでガタイの良い成人男性、今は150有るか無いかの少女である、防具をサイズ調整するにも新調するにも出費が地味に痛い。


「あ」


そんな事を考えているうちに蜂三郎がスポンジ剣をもしゃもしゃと食べており、もう柄の部分しか残っていない。

一応雑食で肉野菜以外に金属や毒物も好んで食べるが石油製品も食べるのか、100円ショップで買った物だし柄だけ残しても仕方ないので残りも全部与える。


「パパ何考えてるの?」


声のしたほうを向くと凛がいた。

凛はムラマサを抱えており、ムラマサは顎を撫でられてごろごろと満足そうである。


「ああ、防具をどうするか考えていてな。自動調整の付与が無いから調整に出すにも新調するにも金と時間がかかるからどうしようかとな」


「じゃあ自動調整の付与付けたら?」


「付与枠が余ってない、枠増やすにも金がかかるし装備更新はしばらく先だったからな」


「じゃあ私達が使ってる生産職の人の店に行く?そこなら容姿が良ければ素材持ち込みで格安で作ってくれるよ」


「そんなところがあるのか?」


「うん、格安価格になるのが店員の感性次第なのと品揃えが女性向け7割、ジェンダーレス2割、男性向け1割以下だけど」


「ほぼ女性向けだろそれ」


「性能が良いから男性客も居るんだよ、一応」


まぁそれだけ女性向けに偏っていたら知らないのも無理はない、俺が普段使いしている武具は異界技術重工と言うゲーム内トップ層の生産クランが立ち上げた企業の物を使っている。

装備更新出来るのは良いが質が下がるとかなり困る。


「ちなみにゲーム内でのクラン名は究極美少女研究会、異技工には一歩足りないけどトップ層の一つだよ」


「あー、あそこか」


究極美少女研究会、無骨堅実性能重視の異界技術重工とは違い、ゲーム内では見た目重視気味ではあるが性能もかなりの物だと聞いている。

ちなみにクランマスターは細マッチョのイケメンおネェと聞いている。

クランの掲げる理念は「強く可愛い美少女の探求」だそうだ。


「ちなみにクランマスターは世界融合時の魔素の影響で男の娘になってて女装を楽しんで大変満足しているそうです」


「そんなことになってたのか」


この世界と異世界が繋がり融合した時、この世界に無い魔素が流れ込んだ事により人々はソレに適応する為身体は大なり小なり変化した。

ある者は容姿が良くなったり、ある者は筋肉が発達したり、そしてクランマスターと同じように男の娘になったり。


「じゃぁ役所での手続きとかその他諸々が終わったらそこに行くか」


「やった」


今日の予定が増えた、午後妻が帰り次第役所へ各種手続き、終わり次第俺の服を買いに、その後武具屋に行く事になるが服屋での滞在時間が延びそうで・・・。


そんなことを考えていると何か背後に気配を感じたので振り返ってみると。


「いっくんこんなに可愛くなっちゃって♡」


そんな声が聞こえて頭を抱き寄せられて胸に顔を埋め視界が塞がれ息がし難い。


「あ、ママおかえり。帰り午後になるって聞いてたけど早かったね」


「ただいま、いっくんがこんな事になったんだもの、仕事早めに終わらせて文字通り飛んで帰ってきたの。

それで他の皆は?」


「お兄ちゃんは部屋でゲーム、他はパパの外出着を選んでる」


「凛は選ばなくて良いの?」


「うん、後で優先してもらうから今回は辞退したの」


「もご」


そろそろ息苦しくなり妻の背中をタップする、がなかなか離さない。

頭を抱えている腕をどかそうにも外れない。


「ママ、そろそろ頭離さないとパパ窒息しちゃうよ?」


「あら」


凛の言葉を聞き解放された。


「ぷは」


意識が遠のいていたので助かった。


「・・・結月、おかえり」


息を整え視線を上げると、満面の笑みを浮かべる妻の顔があった。

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