続・現状確認
とりあえず配信内での検証でのいくつかわかったことがある。
まず同じ言葉は再発動時の上乗せバフが切れる10分間は使えないため、自身のメスガキ語録の多彩さが必要になる。
ただ単にざ〜こざ〜こ言っていれば強化される訳ではないらしい、非常にめんどくさい。
2つ目に上乗せバフには上限が無いらしい。
メスガキ系の煽り台詞をウ=ス異本やネットから探して出来るだけ書き出し、10分間絶えず煽ったら光が徐々に強くなっていき最終的には何処の明鏡止水よと思うくらい金色の光が強くなっていた。
3つ目に上乗せバフが発動するたび残り時間が延長される。
まぁこれは予想していた、スキル説明欄に再発動と書いてあったからな。
4つ目、身に纏っている金色の光は操作できる。
光量は変えたり触れたり出来ないが腕輪みたいに手首だけ、アームカバーみたいに腕のみ、靴下みたいに脚のみ、頭の上に浮かべて天使の輪っぽい感じに出来たりした。
とりあえず右手首に腕輪の形で固定する。
5つ目、強いバフがかかっているときは力加減が難しいと言われるがそんなことはなかった。
どうもこのスキル、リミッターだがセイフティーみたいなモノがあるのか明確な攻撃の意思が無いと倍率が乗らないらしい。
より詳しい検証は後でダンジョン内で行うとしよう。
「さて、とりあえず検証はこの辺りで終わりにするが何か質問はあるか?」
『TSするってどんな感じですか?』
無数のコメントからそれが目に入る。
「TSなぁ、とりあえず長年連れ添った股間の息子が行方不明になったのは違和感半端ないが子供も4人居るしいいかなって」
『男としてそれはどうよ』
『まぁ、子供4人も居るならいいのか?』
『身長180近い厳ついおっちゃんが美少女に変わった子供たちの心境や如何に』
「息子に関してはわからんが娘達は喜ぶんじゃないか?、帰ってきたら着せ替え人形にされそう…」
『あ』
『何か遠い目してる』
『小さい頃姉貴達のおもちゃにされてたからその気持ちはわかる』
『樹さん同接500突破おめでとうございます』
コメントの指摘で同接数を見ると500を超え今も増え続けている。
「マジかぁ、いつも一桁だけどTSしただけでこんな増えるの?」
『今拡散されてますしこれからもっと増えるかと』
『元おっちゃんでも現美少女ですしおすし』
『女神は言っている、メスガキをやりなさいと』
『可愛いは正義なんよ』
「そのミームはやめなさい、まぁ可愛いは正義なのは理解出来るしバ美肉も理解出来るが自分の事となると実感がわかなくてな」
『自身の子供達に何かコメントとかありますか?』
そのコメントを見てTSしてから考えていたのを口にする。
「うぇ~い、息子くん見てるぅ?お父さんメスガキやる事になっちゃった」
『NTRビデオレター風のあいさつは草』
『樹さんは息子くんの脳破壊狙ってるん?』
『息子くん、お父さんを俺に下さい』
『いや、私に下さい』
「それ息子に言う台詞と違うのよ、まぁそろそろいい時間だから配信は終了な」
『もうそんな時間か』
『スキル検証で結構時間食ってたからな』
『まだ終わらないで』
コメント欄には配信終了を惜しむ言葉が多めに見える。
「惜しむのは嬉しいがこの後色々やらないといけないことがあるからな、次がいつになるか分からないがまた次回」
そう言って配信を切りパソコンの電源をオフにした。
さっきの配信の最大同時接続数は600オーバー登録者数は400突破しそうだ。
「さてこっからどうするかね」
時計を見るともうすぐ昼だ、この後昼飯、役所への性別変更手続き、服の購入、女神への苦情を入れるため教会にも行かないとな。
そんなことを考えながらストックしてあったカップ麺を作るためキッチンに立つ。
わかってはいたが、元180近くあった身長が150ちょっとまで縮んでいる為キッチンが大きく感じる。
高いところにある物を取るのが面倒になったが俺はテイマーだ、使役している機械系モンスターを使えばだいぶ楽になるだろう。
とりあえず湯を沸かすため電気ケトルに水を入れ電源を入れる。
待つこと約2分、水が沸騰したのでカップに湯を注ぎ蓋をして砂時計を持ってリビングに戻る。
「いただきます」
砂時計の砂が落ちきったので蓋を開けて食べ始める。
「ん?」
カップ麺の8割ほど食べていつもと違う事に気付く、腹7分位まで来ている。
何時もなら2つくらい食えるのだが、体と一緒に胃まで縮んだようだ。
最初に量が決まっているカップ麺で正解だった、何時もの量を作っていたら半分近く残していたかもしれない。
とりあえず食事を終わらせて後片付けをし、身分証明する各種色々、財布、鍵、適当な服を準備していく。
出来れば娘達とエンカウントせず事を済ませてしばらくダンジョンに籠りたい。
そんな中ガチャリと玄関から鍵の開く音が響く。
時間的に子供たちが来るまで時間があるはずだが。
とりあえず部屋から玄関の方を覗くとそこには長女の澪、次女の梓、三女の凛の三人と、父の弟の孫である舞華が立っていた。
「あ」