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Deviance World Online 〜最弱種族から成り上がるVRMMO奇譚〜  作者: 黒犬狼藉
一章上編『忘却されたⅫの栄光』

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Deviance World Online ストーリー2『獰猛な簒奪者』

今回は会話多めです。

「え、レオトール寝ちまったんだけど?」

「……、どうします?」

「とりあえず、宝箱開けようぜ?」

「そうしますか……。」


 そう言いつつ、まずと言った感じで黒狼はレオトールが出した宝箱を開ける。

 中には二つの玉……、言い換えればスキルオーブが入っていた。

 ソレを鑑定で調べ、若干ニヤニヤする黒狼。

 ソレを見て心底気持ち悪そうに顔を歪めるゾンビ一号。


「『詠唱』に『鍛治』、うん俺にピッタリ!!」

「『詠唱』ですか……、かなり良いですね。魔術師には必須のスキルですよ?」

「え? そうなの?」

「はい、例えば私が使ったマジカルキャノンあるじゃないですか。」

「はいはい。」

「あれって詠唱して使ってるじゃないですか?」

「なんか、前文言の絡み絡みってやつ? アレってただ厨二病を発揮してるだけじゃなかったの?」

「とりあえず、ものすごく馬鹿にされたことは分かりましたので殴らせろ黒狼!!」

「やめろやめろ!! 俺が悪かったって!!」


 そうドタバタを少しやった後、落ち着いた2人は息を整え再度話し出す。

 2人とも軟膏を塗り込んでいるのはご愛嬌だ。


「で、あの詠唱は詠唱スキルがないとできないんですよ。」

「アレ? お前って持ってたっけ?」

「スキル自体は生前のモノも使えるようです。最もアーツとかは無理ですし、そもそもステータス足らずで碌に扱えませんが。」

「ふーん、あの魔術はなんで普通に使えてるんだ?」

「魔力は一応程々にありますからね、アンデットって怨霊ですから魔力は多めですし。」

「完全回復したらあの一撃ぐらいは出せるってこと?」

「一応は、ですが期待しないでくださいね?」

「……、魔力って気分で増減するのか?」

「厳密に言えば魔術効果の方ですが。アレってコンディション次第で割と効果変わるんですよね〜、魔術研究家たちの永遠の課題とされています。」

「ふーん、テンションで効果が変わるって話だけどソレに上限ってあるのか?」

「まぁ、一応? 殆どありえませんが陣が焼き切れるのが上限とされていますね。」

「あー、術式が持たないのか。」

「そうですね、黒狼はその経験はないでしょうが……、え? アレ? 経験済み?」


 馬鹿にされた黒狼が、インベントリから擬似太陽を作った時の変質化した魔法陣を出し無言でゾンビ一号を黙らせる。

 だが、何かに気づいたゾンビ一号はしばらく考え込み黒狼はその間にスキルオーブを使用した。


「黒狼、ソレって変質じゃないですか?」

「チッ、バレたか。」

「やっぱり!! おかしいと思いました!! 焼き切れたにしては少しおかしかったんですよ!!」

「とは言え、使い物にならないけどな。魔力は通るが魔術が発生しない、INT不足か?」

「でしょうね。あ、渡されても無理ですよ。私のステータスって絶対貴方より下ですから。」

「分かってるよ、魔術師スタイルの俺で使えない時点でお前じゃ使えるはずがねーし。」

「ですねー、とりあえず一つ魔術作りますか? 詠唱式の。」

「そんなノリで作れるもんなの?」

「魔法陣に魔力を流しながら詠唱を意識して唱えるだけですから、滅茶苦茶簡単ですよ?」

「ふーん、詠唱の長さって関係あるの?」

「有りますね、INT200ぐらいで出せるのなら3節が限界でしょうか。」

「オレ、400超えてるんだけど?」

「……、ぶっちゃけ最大量で使いますか?」

「使わないと思う。」

「なら、マジカルキャノンの魔法陣を描くのでソレに魔力を流して3節詠唱に設定したら良いんじゃないんですか?」

「その通りですね、ハイ。と言うわけで書いて?」

「……、ハァ。」


 そういうと、ゾンビ一号は渋々ながら魔法陣を描き出す。

 対して黒狼は、インベントリを操作し例の部屋で獲得した本を閲覧し出した。

 内容は未だ全然読めないが、いくつかの魔法陣が描かれているのは確認している。

 ソレを再度確認し、中身が不明なままということを理解した黒狼はそのままゾンビ一号の作業が終わるのを待つ。

 とは言えど、その魔法陣も10分もかからずに完成した。


「とりあえずこれに魔力を流してください。」

「ほほいのほいっと。お、起動したな。」

「便利ですよねぇ、魔力視。これがあるだけで魔術の起動が確認できますし、魔法攻撃の予兆も見えますしねぇ。」

「え、そんな効果あるの? コレって普通に見えるもんじゃないの?」

「普通は見えませんよ、そこそこ名の通ってる魔術師なら持ってますが……。とは言え、多分この人は当たり前のように持ってるんでしょうけど……。」

「レオトールってそう考えるとマジで謎だよな。」

「素性も私たち知らないですしね。」


 今発覚している情報は、レオトールは貴族であるのと北方と呼称する土地出身。

 そして、『征服王』が率いた軍団に参戦しながら身内の裏切りにより追放されたと言うことだ。

 ただソレらは彼自身が告げたことで有り、信用に値する情報は『征服王』と呼称された軍団に参列していたことだろう。

 

「そういや、征服王って一体どんな人物なんだ? 王って付くぐらいだから相当なヤツなんだろうが……。」

「……、うーん。私も詳しくは知らないんですよね、と言うか時系列が分からないから話が纏められないというか……?」

「碌な情報じゃないな。」

「レオトールに殺された記憶は鮮明ですけど、ソレ以外は社会的常識ぐらいしか無いですから。」

「その割に色々知ってる気がするけどな。」

「まぁ、情勢が情勢でしたし。エルフの森から征服王率いる軍勢が攻め入ってた状態ですから。」

「ほえー、で? 強かったの? そいつら。」

「強かったですよ、レオトールは言わずもがなですが。8節相当の魔術が連続で飛んできた時は背筋が凍りましたね。」

「8節ってことはINT800ってこと? マ? やばくね? 俺の2倍だぞ?」

「間違えないでくださいね? 8節相当が連発ってことはINTが800台の人間が複数人、さらにMPも相当量あると思いますよ?」

「怖ッ!! と言うことは、レオトール以上に強い奴もいるのかな?」

「流石にソレは……、条件を絞ればいるかも知れませんが……。」

「だよな、っと。詠唱の設定完了!!」


 そう言って仮想上に展開されたキーボードのキーを叩くと、入力した文章を確認する。

 詠唱文、もちろんサブカルチャーにどっぷり使っている黒狼は古き良き厨二詠唱でソレを設定した。

 と言うか、ゲームならば厨二詠唱を唱えてなんぼだろう。


「じゃ、俺一回寝るから。」

「えぇ!? 黒狼もですか!!」

「そりゃ、ねぇ? とりまこっち換算6時間ほど寝たら戻ってくるから。」

「えー、とりあえず軟膏の素材ってあります?」

「ん、まぁ一応。作り方分かってる?」

「何度か作りましたから、素材と道具さえあればまぁ。」

「んじゃ、よろしく!! とりあえず、コレとコレ。水は魔法で作れるよな?」

「水が沸いてくるナイフ、無かったですか?」

「ん? あ、あるわ。使う?」

「一応ソレ、高レアなアイテムのはずなんですが……。」

「使わなきゃ忘れるさ、どんな高レアだったとしても。」


 そう言って、他にもいくつかのアイテムを渡すと黒狼はログアウト処理を行う。

 残されたゾンビ一号は、溜息を吐いたのちに作業を行い始めた。

いくつかの設定と現状まとめ回でしたー。

流石に脳震盪が起こったレオトールは一旦休憩も兼ねてお休みですね。

残る難行は後二つ!! 100話までには終わりそう!!


(以下同文)

今後の黒狼とレオトール、そしてゾンビ一号の先行きが気になる方は是非ブックマークと星をください。(乞食)

また、感想やハートなどをくだされば作者のモチベーションが高まります。

是非お願いします。

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