Death91
「えっ──?」
ビクッと肩が震えたかと思うとレイは即座に自分の背後へと身体を隠していた。
「レ、レイ様ですよね?! あぁ!! レイ様! レイ様──!!」
その男はレイしか眼中に無いのか、震える身体を抱き締めつつレイへと視線を投げ掛けていた。
「わ、私に! み、導きを──血、血は──」
「……いやっ?! わ、私はもう……そういうのは──」
取り乱したように鬼気迫る元クローフィの信者だったのだろう男は震える身体で祈りを捧げようとしていた。
そんな信者の様子にすっかりとレイは参っていた。
『いや、レイは既に──』
「おい? そいつを摘まみ出せ! 気持ちは分からなくはないが、これは双方に問題が有りすぎる」
自分の声さえ届いて無さそうだった男だったが、ハンネスの声を聞いて彼の部下が男を連れていってしまっていた。
「すまないな──挨拶は改めてまたしよう。とりあえず、俺たちもここのエリアを使わせて貰うじゃあな──ったく、あいつは……」
最後に少しだけ文句を吐き出しながらもハンネスは自分達から立ち去っていった。
残ったのはセーレさんと言われる大手ギルド──クローフィのサブマスターだった。




