Death84
「グアァァ──!!」
ジェネラルオーガの咆哮が襲いかかる。
直接的なダメージは無いが、ビリビリとした肌にひりつく緊張感を与える。
強撃──!
未だに咆哮をあげるジェネラルオーガに向かってナビが剣スキルを発動させながら強襲する。
──ガァ!!
通常のオーガは反応は出来なく、そのままナビの凶刃がジェネラルオーガに届くと思った矢先にジェネラルオーガが攻撃を合わせては弾き返していた。
「スイッチ──!!」
ナビの声が聞こえてくる。
急所突き──!
カキンッ──!!
がら空きのジェネラルオーガへとハジマリの短剣状で深く潜り込んで一撃を見舞ったのだが威光を放つ鎧に小さな傷跡を残すくらいだった。
『硬いッ!』
いや、分かっていた。
一撃を見舞おうとした時には急所が存在しないのが数値化されて見えていた。
それでも唯一数字が少しだけ高いところを選んだ結果がこれだ。
グアァァ──!!
ジェネラルオーガとの距離をナビと取った所でオーガ達が襲い掛かって来る。
「ブラッディニードル──」
だが、背後から声が微かに聞こえてくるとオーガの集団に血の槍が降り注いでいた。
グアァァ──……。
次のオーガの集団の悲鳴に変わった咆哮は最期までは聞こえずに粒子に変わっていく。
そのまま数本の槍がジェネラルオーガに降り注いでいたが全て弾かれていた。
「シエル──! どうするの?! あいつ硬いよ!」
『今──考えている!!』
オーガの集団は消えたと思ったが、目の前のジェネラルオーガが咆哮をあげると粒子が集ったと思ったから一瞬の輝きの後にはオーガが生まれていた。
15──20──……。
『ん……?』
ジェネラルオーガの咆哮と威光が生まれたオーガに恩恵を与えているのだろうか?
だけれども、気になったのはそこでは無かった。
オーガを生み出したのと、同じく威光の恩恵を与えている時にも数値が増えては今も──。
20──21──……。
確かに少しずつ増えている。
『生命を削っているのか──?』
不──聖……
『レイ! ごめん! 柷福をアイツに!』
「──分かった」
不聖域を唱えようとしていたレイに柷福……呪いをジェネラルオーガへと掛けるようにお願いする。
意図を汲み取ったのかは分からないがレイは即座にジェネラルオーガへと柷福を浴びせていた。
「グァァア──!?」
効果はてきめんだ。
驚きと苦悶が入り交じったような声がジェネラルオーガから生まれる。
25──30……。
一気に数字も加速している。
『レイ! 使えるようになったら再度──柷福をアイツに!』
「分かった──!」
『ナビ! アイツは生命を変換して事象を起こしてる。削りきるぞ──!!』
「──! なるほど、そう言うことだったんだね。 うん! 分かった! あたしはとりあえず──!!」
ナビは瞬時に理解して一気に駆け出していく。
ジェノサイド──!
ナビはハジマリの武器を鎌状に変化させては全体攻撃を一帯に発動させていた。
グアァァ──……。
生まれたばかりのオーガの集団は加速度的に屠られていく。
「グァ──」
ジェネラルオーガの短いが恨みを込めてそうな声が漏れ聞こえて来る。
アイスシャベリン──!
水魔法で隙を見せているジェネラルオーガへと一擲する。
「グァ──!」
それを即座に視界に捉えてはアイスシャベリンを叩き割っていた。
『余所見をさせるつもりは無いよ』
どんどん追い込んで生命を使わせる。
そして、底を尽かせて──。
シナリオが脳内に描くと同時にそれが正解だとでもいうように微かに薄い100という数字がジェネラルオーガに見えてくる。
未來視か──?
初めての現象だった。
この目が──もっと要求に応えてくれた事になるのだろうか?
一瞬の思案が命取りとでもいうようにオーガの一部が自分へ目掛けて襲い掛かって来ていたが血の槍の雨に見舞われる。
その後はその生命──正確にはMPだけなのだが血の槍を経由してレイが吸収していた。
前衛のナビ、後衛のレイ──中衛、いや遊撃だろうか。
それが自分。
レイへと感謝の言葉を心に留めつつ、ハジマリの武器を構える──。
オーガの集団は基本的にはナビに。
自分は目の前のジェネラルオーガを。
レイは自分とナビのサポートを──。
目の前のジェネラルオーガの数値は35まで進んでいる。
薄い数値は100を示している。
未来がそこにあるのなら、後は掴み取るだけだ。
僕は一気に加速して駆け出して──ジェネラルオーガへと向かっていく。




