Death76
【シェリルの祝福】──20m
改めて確認するとクエスト表記には残りの距離がしっかり出ている。
ここで間違いなさそうだ──。
自分の目でも間違いないのは告げている。
後ろを振り向くと、一緒に着いてきている。
ナビとレイが居る。
一度きりのクエストと改めて出ている。
これもハジマリの祝福の時と同じだ。
ナビとレイとパーティーを組んでいるのを確認する。
──1m
──0m
改めて、辿り着いた場所は果ての森の中でポッカリと開けた場所で、その場所にはやっぱり祠っぽいのがあるのみだった。
【シェリルの祝福】
試練を始めますか?
はい←
いいえ
僕がパーティーリーダーだから案内が表示されている。
これにも二度目だから慣れている。
ナビとレイに確認して、皆で改めて準備を手早く終える。
準備を終えて──はいを選択する。
【試練が始まります】
──全てのモンスターを討伐せよ
──討伐せし者にはシェリルの祝福を授ける
アナウンスの後に開けた場所の周りにシェリルの層に見られるモンスターが生まれて来る。
だが、歴然として違うことがある。
ゴブリンキング──。
ゴブリンクイーン──。
そして、ゴブリンメイジマスター。
その他、彼らに付き従うゴブリン達──。
死の気配がブワッと溢れていく。
だけれども、この目は見えている──相手の方は60オーバー、自分たちは40程。
数値的には危険──。
けれども、ひっくり返す為の算段は付いている。
それにあの頃とはレベルもステータスもスキルも違う。
『レイ──! 全体に薄くてもいい! アンサンクチュアリを!』
アンサンクチュアリ──!!
そして、自分の方では──祝福!
自分、ナビ、レイに単体のあらゆるバフの恩恵を授ける。
「シエル──あたしは?!」
『ナビはクイーンを──!』
分かった!
二刀を携えて一気にクイーン目掛けてナビは駆けていく。
円舞剣──!
ハヤブサ斬り──!!
舞い踊るようにゴブリンを蹴散らして、目の前にクイーンの盾になるゴブリン達を一掃する。
そして、あっという間に肉薄してクイーンとナビは鍔迫り合いになる。
『レイ──そのまま、キングを頼める?』
「やってみる」
ゴブリン達を指揮してるのはキングだ。
キングの足止めは必須だった。
自分に頷いた後にレイの足元から血液が浮かび上がっては一筋の矢となるように、それが幾本かに枝分かれてしてキングへと襲い掛かる。
ブラッディアロー──!
ギャ──!
目の前のゴブリンを掴んで盾にするように、それをキングは防ぐ。
レイの血液操作の攻撃を警戒してか、キングはゴブリン達を周囲に展開する。
プロテクト──!
パリンッ──! っと、自分の目の前の展開したバリアが弾け飛ぶ。
爆風に飛ばされるが、格闘熟練の恩恵もあってしっかりと受け身を取って目の前を確認する。
死の気配で分かっていたが、ゴブリンメイジの渾身のヘルファイアだったらしい。
ギャッギャ!
見事に防がれたのが悔しいのか、それとも驚きもあったのか多少動揺の混じる声を上げていた。
僕の目標はこいつだな──。
ゴブリンとキングはレイが引き付けてくれている。
クイーンはナビが抑え込んで──いや、押している。
この目にはメイジマスターへの生のルートが見えている。
行く──!
駆け出すと同時にファイアボールとその後ろにマジックショットがしっかりと自分の走るルートに合わせて飛んでくる。
プロテクト──!
パリンッ──! ファイアボールと相殺に。
強撃──!
片手剣スキルに同じく魔力を纏わせるとマジックショットを切り裂く。
ギャッ──?!
驚いた様子のメイジマスターが見える。
地走り──!
颯爽と一気に地面をメイジマスターへと駆けていく。
動揺しているメイジマスターへは一瞬だ。
そのまま一撃を──メイジマスターのロッドで防がれる。
切り返し──!
流れるように弾かれた片手剣をメイジマスターへ叩き切る。
浅い──!!
ニヤリと笑った気がするメイジマスターが魔法を発動させる。
サンバースト──!
目の前だけに指定した範囲型火魔法上級に差し掛かるやつだ。
これが最大火力なのか、猛烈に籠められた魔力を感じる。
烈火──!!
片手剣単体攻撃──上級に差し掛かる魔法剣技。
焔を纏ってメイジマスターのサンバーストを斬り開く!!
ギャッ?!
本日何度目かの驚き──いや、もうあんぐりと口を開いているメイジマスターが目の前で見える。
乱切り──!
そのまま懐まで入り込んで一閃──!
メイジマスターを一刀両断で粒子に変える。
ナビの方も見てみれば、二刀流を駆使してクイーンを圧倒していた。
最期は五月雨斬りと乱切りを交えてクイーンを同じく両断していた。
そんな中、レイの血液が空間を舞っていた。
血界──!
血の守りを固めてゴブリンは寄せ付けずに。
ブラッディニードル──!!
近付くゴブリンは血の槍で貫いて粒子に変えては血液の魔力へと変換していく。
レイは対多数ほど、その強さは凶悪になっていくスタイルだった。
ギャッ! ギャッ!
対するキングはどんどんとゴブリンを送り込んでは血液の魔力に変換されていくのに手こずっているのが一目で分かった。
祝福──。
キングに掛けられているのだろう。
物理耐性はあるキングには効果がてきめんだろう。
耐えているがこの目にはどんどんとキングの数値が増えていっているのが目に見えていた。
90──。
95──。
99──。
100──。
ギャァ──……。
悲鳴はなかった。
あげられなかったのだろう。
最期はキングは絶望の表情をしているように粒子になって消えていった。
残りのゴブリン達の掃討はあっという間だった。




