Death68
「私は私の世界を作りたかった──」
洗脳支配を受けた司教の言葉が続いている。
何人か暴動を起こすために洗脳を少しづつ掛けていたこと。
信者を増やすため、司祭を生み出す計画で親族でちょうどゲーム知識にも染まっていない子供への愛情が深いレイの家族を計画に組み込んだこと。
そして、家族を洗脳した者で殺したこと。
ハンネスに関しては燻っている丁度良いのが居ると洗脳した者から見聞きして使えると利用したこと。
「俺は踊らされていたって事かよ──」
まだ若かったということだろうか。
いや、学生だった自分が言える身分でも無いだろう。
ハンネスは顔を歪ませていたが、その心情の根底までは見通すことは出来なかった。
レイはナビに支えられながら止めどなく涙を流している。
「シエル──どうする?」
『このままでは危険なのは確かかな』
目の前の司教は今は洗脳支配スキルで虚ろだが、スキルはスキルだ永続ではない。
そして、スキルが切れたら禁忌:洗脳支配を極致まで極めた司教が出来るという最悪のケースが目の前に見えていた。
未来視を交えて、あらゆるケースを想像しては生死の目を通して最善手を考える。
思考加速の影響もあるのか、一瞬の時間の中でも多くの事を考えられる。
その中で最善手と言えるものを見つける。
禁忌:魂魄破壊
魂魄=スキルだと仮定する。
それを破壊出来ないかという目論みだ。
時間的猶予も無いだろう。
皆が見てるなか、ハンネスの頭に手を置いてスキルを発動させてる。
ハンネスの魂を意識して発動するだけではダメだ。
万が一にも殺してしまう恐れがある。
それは今一緒に見ているレイのトラウマになってしまうだろう。
この目に賭けてみるか──。
目を閉じて見えない何かを探す。
そしたら、幾つのも線が見えてくる──。
えっ?
目を開いて見てみると──幾数の線が見える。
まるで魂の線だと見えるように。
可視化された魂の線の中で司教の魂の線の中で──まるでここを破壊しなさいというようにある一本の線が生の色を強く輝かせている。
その線を破壊するようにイメージするとパリンッ! と音がする。
そして、司教から光の粒子が溢れて自分の中へと入ってくるのだった。
「私は──ッ! お前!! くそっ!」
そして、意識が覚醒したのだろうか──洗脳支配スキルから覚めた司教が自分を睨みつけてくる。
「──!? な!? 何をした! わ、私のスキルは……何もない?」
どうやら、司教のスキルは何もなくなったようだった。
代わりに大量に自分にスキルポイントが入ってきている案内が隅に流れてきている。




