Death64
「ハッ! やっと澄まし顔を歪めたな!」
「何を──!」
なんとか耐えてるが司祭の女の子の死への数値が更に上がったのを視界に捉える。
「禁忌スキルか……だが、スキルはスキルだ! 永遠ではない! あの時の礼だ! ひれ伏せ──!!」
くっ──!!
司祭の女の子の顔が恐怖で歪むのが目に映る。
だけれども、この距離なら──!
光速剣──!
キィィ──ン!
っと、司祭の女の子とハンネスの間にスキルを用いて割り込んで凶刃の刃とつばぜり合いになる。
「な?! ──に?!」
『させないよ!』
間に合った。
ハンネスの驚いた顔が目に映る。
そして、同じく背後に居る司祭の女の子の死の気配が遠ざかっていってるのも感じる。
「お前──はなんだ?!」
『僕は──シエル!』
「シエ──ふ、ふはは!! シエルか! あのシエルか!!」
ブワッとハンネスの気配が一気に膨らむ。
少しだけ自分の死の気配──数値も微量に増える。
『えっと──君……』
「レイです」
レイと司祭の女の子は自分の言い淀んだのを汲み取って名前を伝えてくる。
『レイ──少しだけ下がっていてくれ』
「いえ──私が……私がやらないといけないのです」
『ごめんね──』
前に出ようとした瞬間にレイの死の気配が一気に濃くなる。
この戦場は彼女のターニングポイントなのだろう。
彼女の首もとに軽く手刀をくわえて意識を刈り取る。
一気に死の気配から遠ざかったレイを地面に横にして、ハンネスと向き合う。
「王子様気取りか?」
『そういう訳でもないよ』
「やっぱり気に食わないな……、だが俺に食われるためにしっかり実ったようだな?」
心底嬉しそうにそして凶悪に顔を歪めるハンネスが目の前に居た。
お前の活躍や、攻略組──俺の前に飛び回る羽虫がウザかったが、もしやその中心と云われてるお前がしっかりと美味しく実ってやってくるとはな。
そうハンネスは目の前で言いながら剣を構える。
『食われるのが確定なんだね』
「あぁ、生憎確定している。俺は食う側だ」
しっかりと目を働かせるとハンネスの死の気配が見える。
自分への死の気配は薄い。
『ブランシェメンバーを引き上げさせ──』
「うるせぇなぁ! 羽虫が!」
そう言ってハンネスは身体をぶれさせてこちらに一気に攻撃を仕掛けて来るのだった。




