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Death32

荒廃している街だった。

少しだけ都とは言えないけれども──賑わっていた街。

そんなファンタジー世界の名残を見せる街中に階段から降りた僕たちは降り立っていた。


だけれども、荒廃している街は暗く風が吹き荒んでいる。


そんな街の向こう側にゴブリン集団が見えている──。


なっ! ゴブリンキング──

いやっ! ゴブリンクイーンも居るぞ──!

待て! ゴブリンメイジマスターもあいつも居るぞ!

ゴブリンメイジマスターはレイドのイベント用だったろ!

ウソだろっ!!


動揺の声が聞こえる。

ゴブリンキングは物理耐性がある近接。

ゴブリンクイーンは魔法耐性がある遠隔。

ゴブリンメイジマスターはあらゆる魔法を使いこなすエキスパートだ。

そのスキルは初級なれど、使いこなし方によっては凶悪になる。


その他──4層で見た同じくらいのゴブリン集団が居る。


こんなのむ──。


「諦めるな! 前を──!」

誰かの呟きにガイウスさんが鼓舞しようとしたのだろう──。

けれどもそれを言い終える前に敵が動き出す。


「ォォォオオオオ──!!」

ゴブリンキングが吠えて一斉にゴブリン集団が襲いかかってくる。


「ったく、男のなのに情けないね! 爆炎よ!!」

「姉御! 助太刀しますぜ! 疾風よ!」

例のコンビだ。

魔法を掛け合わせて一気にゴブリン集団を屠ろうと魔法を放つ。


やったか!

っと、誰かの呟きは呆気なく裏切られる。


「ちっ──メイジマスターか、嫌なものね!」

「ッ! ──姉御には触れさせない! お前ら! 行くぞ!」

おおぉぉ!! とコンビのギルドが動き出していく。


先ほどの爆炎と疾風はメイジマスターの光魔法のバリア、水魔法のウォーターシールド、土魔法のストーンシールド。

どれもこれも低級だが、連続して生み出した事で威力を相殺させていた。


自分の目からも100の数字から50まで落としていたのでとんでもない対応なのは分かった。

だけれども半分は削れている。


「シエル! あたし達はどうする?!」

『どうもこうも無いと思う! 全力で行く!!』

「あたしもその言葉待ってた──!」

視界の数字を一気に捉える──。


フワッと死の香りを感じた気がした?


なんだこの感覚……?

感覚に合わせて視点を変えると、メイジマスターからのファイヤーボールと、クイーンの弓矢が合わさった攻撃が自分へと向かっていた。


こっち──と安全な匂いのする方へ身体を傾けると避けきれた。


──?!

初めての感覚ではない。

この目を認めて扱うようになってきてから感覚が研ぎ澄まされるというか、本当の意味で1つに融け合っていく感じがしたが──もしかして成長している?


改めて見直すと数値でも薄く見えるが濃淡を感じる視界になっている。

それがうねるように生き物のように周囲に溶け合っている。


濃い場所や流れるように動いてる時は危険な攻撃──死か。


ふと、また違和感を感じるとメイジマスターが魔力を溜め込んでいるみたいだった。

数値と同じく死の色も濃くなっている。


狙っているのは──ナビか!


『させない! 思考阻害!』

闇魔法をメイジマスターにかける。

ウィークポイントというか、数値が100の所を狙ってかけると見事に成功した。


「グキャ!!」

メイジマスターが驚いた声をあげている。


「ありがとう! シエル!」

ナビの声に片手を挙げて応じる──。


生き残るんだ──。

そして、僕を目を逸らさずに周囲を把握する。

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