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Death215─resurrection(再生)

『想像通りの世界かな……?』


ベンチに座りながら目の前の眩しい光景に目を細めながら、僕は呟く。


「なぁに、黄昏ちゃってるのよ」

ペタッと、後ろから冷えたサイダーをほっぺに押し付けられる。


『冷たいって、ナビ』

「もう、ナビじゃなくてアカリだよ!」

笑いながら、ナビが現実世界の名前──アカリだと訂正する。


「そんなばっかだから、レイにも笑われちゃうんだよ」

『いや、でもレイは別に怒らな……』

「それは私がレイだからですよ」

仕方ないなぁ……と、ばかりにホットドッグを人数分買ってきてくれたレイが隣に座りながら答えてくる。


「はいっ、これはレイちゃんの」

「ありがとう、アカリ」

『まったく……』

ちょっとだけ、先ほどまでの黄昏の余韻が消え去る自分が居た。


「そう言えば、トオルとアカリは就職どうするの?」

『え? うーん──ゲームの維持も大変だからなぁ……』

「あたしはそのまま、トオルの会社でサポートかな?」

『僕も、そのまま運営者として働くかなぁ』

「私もそのまま、働いてもいい?」

『待ってるよ』

そう言うと、レイは安心するように笑う。

僕とレイも大学4年だ。

僕の場合は世界が改めて始まった際は天涯孤独になって居たけれども、もと居た住まいもあったから比較的立ち直りが早かった。

ナビも両親が健在だったが祖父母の方はあの世界で天命を迎えていた。


レイは一人身だったが、世界がある意味混迷を一時は極めてる時にその身元を僕が引き取った。

彼女の両親や叔父はあの事件の際に全て亡くなって……親族の宛も無かったからだ。


そして、ベンチから流れる光景は……。


「遂にナノマシンと人の婚姻が認められました。妊娠も可能になったとの事で、人とナノマシンの相互の架け橋となり、どちらも持ち合わせた新たな生命の誕生に祝砲も捧げられています」


そう、大きなモニターの付いたビルから流れてる映像でニュースになっていた。


そう、NPCに関しては遠い未来の技術──ナノマシン機械人形を採用した、そして、新たな生命とは既にあの世界で赤子として産まれていた子供だ。運命を引き合わせて、再び生をもたらしている状況だった。


「あっ、続報です。魔法の使用制限区域の開放と、規制緩和の発表がなされました」

魔法もこちらの世界では存在している。

ただ、非常に弱く、生活を支えるのに使える一部だけだ。

ただ、抜け道を編み出す人も続出している為に、法が色々と施行されているのも実情だ。


「更に続報です。天空の城エデンの新たなサーバーの開放との事です」

天空の城エデンは実はゲームとして、フルダイブとしてはそのまま生かす方向にした。

ただ、根幹を弄れるのは自分だけだが……新たな世界や、魔法の発現等は余程の事がない限りは利用者に委ねている。


だから、人によってはもう1つの経済活動の場所としては非常に親しまれているし、そこで生活の基盤を置いている人も居る。


そう、だから逆にその為に人からナノマシン機械人形では無いけれどもハーフになる人も増えたりしてトレンドになっていた。


「なんだか、凄い世界になっちゃったねぇ」

「ですねぇ」

『うっ……いや、まぁ、これで良いと思うんだよ』

「まっ、責めてる訳じゃないから。むしろ──」

「いつ結婚してくれるの?」

『うっ……』

大卒と同時に結婚するとは2人に伝えている。

多重婚もOKな国に今はなっているから問題はなかったりする。


『わ、分かってるよ?! だから、これから下見も含めて……』

「はいはい、そろそろ時間だものね」

「ほら、行こう?」

『ちょっと、待って──今すぐ食べきるから……!』

ナビとレイだけは唯一、あの世界の記憶も旧世界の記憶を持っている。


他の皆は、世界の人含めて、ふんわりとした記憶になるように自動設定されている。


だから、世界が稼働した日は混迷……とまでは行かないが、数日はふんわりとした日々が皆過ぎていた。

でも、それも日常だと錯覚するように生活を始めて──。


僕はナビとレイと歩きながら、式場の下見に行く。

そう、僕は人としての人生はまだまだこれからだった。

人として終わった後は神としての活動があるけれども──それは終わった後に考えたら良いだろう。


あれから、タナトスからはたまに連絡がテレパシーで来るけれども比較的問題はなかったりするそうだ。

ゲームや遊戯に関しては、世界の進化を促すためや、その世界の神のエネルギーが怪しい際は認可するようにはなっているらしい。


とりあえず、闇賭博では無いけれども。

危険性があったりするものは心配無いそうだ。


「ほら、あたし先行っちゃうよ?」

「シエル──!」

『あっ! ちょっ! 分かってるよ──!』

また、考え事をしてしまっていたらしい。

必用だったら、いつでもコントロールルームへは行けてコンソールは弄れるけれども、僕はしないだろう。

人の可能性も、人自体が好きだから。

後は、おごりすぎは良くないと思うから。

自然には自然の流れがあるのだ。


そんな風に思っている中、僕はナビとレイに腕を引っ張られては式場の下見へと向かう。

そんな僕の光景に微笑ましそうに笑う人に見られながらも。


ようやく、帰ってきたんだな……この世界に。

そうして、本来の時間がこれから始まるのだった。


──END

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