Death198
『皆──! 後ろに待機──!!』
「え?」
「は?」
「おいおい、シエル……?」
『後ろに──!!』
シュンとバルが自分の号令に呆気に取られた表情を取るが、すぐさま何かの間違いだろうとこちらに近寄って来るところを制止しては後ろに追いやる。
『ここからは僕が先に行く』
「いや、シエル?」
『ごめん、行かせてくれ──』
「理由はあるんでしょうね?」
もう一度、念を押して歩み出す所にバルが声を掛けて来るがムシュタルがそれを片手で制しては質問を投げ掛けて来たので頷いて応える。
「分かりました──皆、シエルの号令通りに……!!」
そして、ムシュタルは納得は行っていないのだろうが……無理にでも気持ちを汲むように皆を引き連れて下がってくれる。
ありがとう──。
全員が転送されてきた。
ムシュタルが皆を下がらせてくれた。
チラッとナビとレイの2人の不安そうな視線と交錯するが申し訳気持ちが少しだけ心を突くが気持ちを切り替えて前を向く。
ボコンボコンと噴火口のマグマが大きく溢れては破裂している。
「グオオオオォォォォオオオオ────!!!!」
そう、登場はいつもこうだった。
エンシェントドラゴンはそして、這い上がってくるのだ。
そして、エンカウントして始まる。
今回も同じだった。
ただ、違うのはエンシェントドラゴンの大きさと表示だ。
【神・エンシェントドラゴン】
ただのエンシェントドラゴンでは無いのだろう。
その姿は今までの2倍は大きい。
そして、明らかにオーバースペックの防御耐性も見て取れる。
きっと、先ほどの49階層のケルベロスはこれの調整の産物だろう。
神によって、全てを通さない為にも手を施された……堕ちたエンシェントドラゴンとも言えるだろう。
そもそも、本来のエンシェントドラゴンはその星の生命の調整者だ。
その役割を剥奪して、且つ暴虐的に破壊の殺戮者に仕立てあげられたと所だろうか。
「グラァァァア──!!!!」
その咆哮は威嚇か、または苦しさからの悲鳴か。
1つ言えるのは下がらせた皆はシュンとバル、ムシュタルにマリとリン、ナビとレイ以外のメンバーは恐慌状態に陥っている。
そんな、皆以外の7人も手足の震えは感じるのと数値が99になっているので──まともに着いて来ていたら死んでいただろう。
100にならない理由は──。
そう、イレギュラー要素の僕だろう。
もう、ここまで来たら隠さなくてもいい。
それは感覚でも直感でも──未来を見通して見ても同じだった。
なら、取るべき手段は──。
リラックスしたようにハジマリの武器を自然と構える……。
そして、僕はゆっくりと歩きながらも速度をあげてはエンシェントドラゴンへと駆け出して行くのだった。




