Death197
あぁ──この感じだ。
目を凝らして数値化した世界を意識すると数字が所狭しと並んでは変わっていく。
まだ、何も始まっていなくとも数値は既に50前後を行ったり来たりしており、それは常に生と死が混在しているのを示していた。
「また、ここに来たな」
「あぁ、そうだな」
「この肌に纏わりつく空気がどうにも私には苦手です」
「本当に陰気な所だよね、ここ。僕はやっぱり苦手かな」
「好いて来たい場所ではありませんよね」
シュンとバル、ムシュタルにリンとマリ──それぞれが大扉からこちらに転送されてきては感想を述べていた。
「これが50階層──」
「今回は暗く無いんだな」
「すげぇ……良く動画で観てたのと同じ光景だ」
他の合流してくるメンバーも各々の感想を述べていた。
そして、数値はみるみる──。
「ねぇ、シエル? あたしはどう動く?」
「シエル……嫌な予感がする」
ナビが少しだけ不安そうに、レイは完全に予感がするのだろう顔を不安そう表情を取り繕うこと無く聞いてくる。
その予感、いや……直感は正しいだろう。
だって、世界は──そう、自分があの頃……最期にプレイした天空の城エデン──ゲーム時の光景と同じく数値がどんどん加速度的に上がっていき、既に99と表示させていた。
むしろ、それ以外の数値の箇所は無い。
──いや、100の箇所はある。
皆の転送されてきている集まっている先のまるで火山の噴火口のような窪んだ箇所は100になっている。
正確にはそこに潜むエンシェントドラゴンの数値だろう。
そう言うことか──。
ゲームマスターはクリアさせる気がないと告げているようなものだった。
それの意味するところは、今ここに居るメンバー全員を処分してリセットしようとしているのだろう。
ギリッ──と、意味などはない。
自然と手に携えていたハジマリの武器を強く握ってしまっていた。
「シエル……?」
「大丈夫──?」
ナビ、レイがそれに気付いて心配そうに声を掛けてきてくれる。
『大丈夫……だよ』
少しだけ無理な微笑みだったのだろう。
少しだけ……、いや、より一層不安そうな表情にさせてしまったが一度状況を把握すれば冷静にもなってくる。
向こうがそう来るのなら、こっちだって遠慮はない。
そう、すぐに思い至る。
そして、これが最期なのだ。
もう、向こうに手出しも出来る隙は与えることも無いだろう。
覚悟を決めて、先ほどとは違ってもう一度ハジマリの武器を強く握る。
うん、大丈夫だ──。
そして、僕は行動を開始する。




