Death193
「何も無い──?」
……あれ?
──場所を確認しろ!
──いや、48階層となっている!!
周りの声が聞こえて来る。
そして、それは確かだろう。
僕の目と気配からでも安全地帯なのは折り込み済みだ。
「どうなっているんだ──?」
皆の困惑した声も分かる。
隣に居るナビとレイも困惑と疑念の顔を浮かべては注意深く前を見ている。
そう、ただの何も無い変哲の無い1本の通り道に──その奥に階下への階段が見えてるだけなのだ。
皆は罠とかの疑いを持ってるんだろうな──。
そう思っているのは僕だけだろう。
47階層は攻略不可能にしていたはずだった。
それを無理矢理クリアしたのだ、それに直ぐに階下の扉を開けなかったのも、今の様相を見れば納得がいく。
きっと僕が目覚めた事で弁明が出来なく、致し方無く開放したのだろう。
だが、何も無いメイキングしていないダンジョンをだ。
世界の外側へ意識を向けるとザワザワとしている感じが伝わってくる。
僕たちは必死だが、それを娯楽として観てる神たちからしたらシラケる展開なのだろう。
そして、1つの視線だけ強く──とても強く自分に注がれてるのが分かる。
殺意の込められたその視線はきっとゲームマスターである。
あの日、教室から見た神なのだろう。
知ったものか──。
そう、それだけだ。
恐怖も何も無い。
あるのは単純な反逆の意思だけ。
今に見ていろと心の中で言葉が湧き出る──けれども、今はそうじゃない。
『周囲に警戒しながら進もう……! 階下への道はすぐそこだ!!』
皆へと指示を出しながら、僕たちは歩み始める。
それでも階下の方へと視線を向けると時間が経過する毎に死の気配が濃くなっている。
きっと、早急に49階層を作り上げているのだろう。
そして、それは明確な殺意を込めて──それが視覚的に僕には死の気配として分かる。
余り時間を掛けたら行けないな──。
『僕が先陣を切る──! 僕の後に続け──!!』
らしくないとは思うが先陣を切る。
そしたら、皆も安全を確認出来ては早く進むはずだ。
その思惑は正しく、皆しっかりと着いて来てくれていた。
そして、そのまま僕たちは階下前の扉の前で準備を手早く済ませては──49階層へと挑むのだった。




