Death191
地上に落とすことは成功してもセラフィム自体が巨大であり、脅威が去った訳では無かった。
むしろ、ここからが本番とも言えた。
いや、それ以前に──。
死の気配が無い……?
目を凝らしても見えない。
いや、正確にいうとうっすらと纏ってはいるが──それを掴もうとすると霞のように消えていくのだ。
「神に──与えられし……我が翼を……罪人よ──我は不滅、神より与えられし……」
セラフィムが言葉を発していて理解する。
神より与えられし……そう、与えられしだ。
攻略不可を作るのもゲームマスター次第と言うことか?
いや、だが、死の気配はある。
ならば、攻略は出来るということ。
多分、そうなった瞬間に何かしらの介入をしては回避させているのだろう。
ならば、それらを取っ払ってクリアすれば良いだけ。
腹を決める。
多少は感ずかれるかも知れないが、ここで戦力を減らすのは惜しい……いや、何よりも誰も死なせたくない。
「シエル……?」
スッとハジマリの武器を片手剣にして構えてはセラフィムに歩きだした僕をナビは不思議そうな声で呼び掛ける。
指示を出すでもなく、進み始めた自分をレイと──遠くからバルとシュンも不思議そうに見てる。
この空間の生死の掌握は完全に済んだ。
そして、神達は外側から見てる──けれども、常時見てる訳ではない。
一瞬でも隙はあるはずだし、何よりも死の気配はある。
ゲームマスターも攻略不可にするリスクを背負うのもリスキーなはずで、介入するとしたら一瞬だろう。
ならば、その一瞬よりも先を行けばいい。
何よりも、僕はその生死を扱うのならば──もう右に出るものは居ないのだから。
「──愚かな、1人で来るか……」
セラフィムが僕に気付いたのだろう。
慢心している……それでいい。
非常に都合がいい。
きっと、神の恩恵と自身の不滅を確信しているからこその慢心もあるのだろう。
タタタッ──。
一気に駆け始める。
「愚か──」
セラフィムが手を前に差し出しては一気に周囲の空間から魔力攻撃が放たれて来る。
けれども、僕には見えている。
生への道も、死への道も──全て。
そして、半神ゆえに全ての力は出しきらず、人間としての限界のパフォーマンスまでを絞って出しては全てを避けては時に弾き返しては一気にセラフィムへと駆けていく。
「ッ──?!」
セラフィムが驚きの表情が見える。
そう、それだ。
そして、死への気配が大きく濃くなって……。
見えた──多数に一気に出現した目の中の一点──。
死の核が。
だが、時が止まったかのように世界の外側から生への介入──いや、これはゲームマスターの神の介入が見える。
これより速く──そう、速く──!!
一瞬だけ、人間の枠から踏み外れる加速を一瞬……そう、更にこの止まった時の一瞬より、一瞬を介入させる。
「バカめ──!! グハッ──……」
そして、世界は通常の……普通の人に知覚出来るスピードへ。
セラフィムが近付いて来た自分へ全身から現れた目からの魔法の強力な攻撃を大量に放ってくるが、自分はその中の一点へと身を捻っては最小のダメージを受けつつ剣を──。
『カタス──トロ……フィ────!!!!』
大技を叩き込む。
ゲームマスターの神への生への介入を弾き返すように、強く強く強烈な一撃を叩き込む。
「────我は……ふめ……──」
不滅と言いたかったのだろう。
セラフィムは剣に貫かれた状態で粒子へと変わっていく。
「シエル──!!」
遠くから、こちらへと駆けてくるナビとレイの姿が見えていた。
レイの片手には全快させるポーションも見える。
アレは高いんだよなぁ……。
一瞬、そう思いながらも意識が落ちるのに抗えないのだった。




