Death188
『またか──』
「シエル?」
『ここに居るよ』
ナビの声の下に手を伸ばしたらナビの手と触れ合う。
もう片側の方は──この手の小ささはレイだろう、レイも自分の声を辿っては手を伸ばしていたらしかった。
そう、また全員が46階層の扉を潜っては階段を降ると思っていたのだが──扉を潜った時点で47階層、今はまた真っ暗な空間に飛ばされたらしかった。
この展開はやっぱり──。
あれなのか──?
ヒソヒソだが、周りの皆の声も聞こえてくる。
そろそろ、全員がここに転送されるはずだ。
そうなると、42階層と44階層の経験上……。
パッ──と周囲が明るくなる。
下は雲──周囲は夕陽がモチーフなのか、夕焼けに染まる世界で足元はガラス張りでは無いが透明化になっている。
そうなると、これは……。
カーン──。
ゴーン──。
カーン──。
ゴーン──。
鐘の音が世界に響き渡る。
「ぁ……あぁ──」
何名かは腰を抜かしたメンバーが居たが、それは仕方ないだろう。
だが、それすらも覚悟の上のはずだ。
しかし、それはその覚悟を崩したともいえるのかも知れない。
「な──んだ、あれは……」
ゴーン──。
カーン──。
ゴーン──。
カーン──。
上空の方にも浮かぶ雲が分かたれていく。
そして、夕陽を彩っていた世界に光が射し込んでいく。
そして、同じく分かたれた雲から翼多数所持した巨大な──そう、本当に巨大な何かが舞い降りてくる。
翼で身体と足は隠していて、顔は……こちらを見下ろしている。
身体は燃えていて──それは聖なる焔なのだろうか。
そして、一定の場所……少し上空にそれは止まり──翼を広げていく。
「愚かな──」
空気を振るわせて何かを伝えて来たような……いや、愚かなと言ったのだ。
ッ──まずい!
まずいまずいまずい。
視界に頼らなくても、先ほどまで掌握していた生死の領域が逆に侵食されようとしていた。
そして、蔓延る死の気配。
今の言葉で空気を震わせただけでも死を振り撒いてる。
【熾天使─セラフィム─】
最上級天使……。
それが舞い降りていた。
それ以外の天使は──居ないのだろう。
フィールドに出る気配も無い。
『動けない者は後方に──! 動ける者は動けない者の守り! ナビ、レイ……サポートを! シュン、バル……一緒に死線に来てくれ! マリ、リン、ムシュタル……シュンとバルのサポートを!』
これしかない。
これ以外は無い。
近寄るだけでもアレは危ない。
指示を出しては一気に自分はセラフィムへと駆け出すのだった。




